P・D・ジェイムズ『死の味 上下』(1)

Nさんに貸していただいたP・D・ジェイムズのアダム・ダルグリッシュ警視シリーズ14冊中の7冊目になる「死の味 上下」(1986)を読み終わった。
最初に後半の作品を読んだとき「死の味」にケイトの昔の恋人が出てくるよと教えてもらったっけ。すっかり忘れていたのを読んでいて思い出した。

ロンドンのパディントンにある聖マシューズ教会に、毎週水曜日にウォートン嬢(65歳)とダレン(10歳の男の子)はマリア像に供える花を取り替えにいく。孤独なふたりはとても気があっていた。
その日はドアの鍵が開いていて、入ると喉がかき切られたふたりの男の血まみれ死体があった。驚いて神父を呼びに行くと、ひとりは浮浪者のハリーでもうひとりは元国務大臣の准男爵ポール・ベロウン卿だという。

ダルグリッシュ警視長とジョン・マシンガム主任警部とケイト・ミスキン警部の3人が、この仕事に取り組むことになる。ロンドン警視庁に新しくできるチームは来週月曜日から発足の予定だが、すぐにこのチームで仕事をはじめる。マシンガムは過去にケイトと仕事をしてぶつかったことがある。どちらかというと女性警官に偏見があるほうだが、ダルグリッシュはケイトを評価し信頼している。

ベロウン卿は数日前にダルグリッシュに会いたいといってきて話をしたばかりだった。彼は雑誌を見せて誹謗中傷めいた記事をダルグリッシュに読ませた。ダルグリッシュは編集長を知っているので会ってみようと思う。だがそれより前にベロウン卿は大臣を辞任していた。そして教会での死とはどういうことだろうか。

3人は上流階級のひとたちとその周辺にいるひとたちから話を聞きながら捜査を積み重ねていく。
ベロウン卿の家を訪ねて、母のレディ・アーシュラ、妻のバーバラ、家政婦、運転手に話を聞く。その他に、先妻の娘サラ、バーバラの兄スウェイン、バーバラの従兄弟で外科医のランバートを調べる。
(青木久恵訳 ハヤカワポケットミステリ 上下とも880円+税)