「木下黄太講演会 7月17日 此花」に参加した

ツイッターで知らせてくれたfukamiさんは「此花区民必聴です。 大阪市民も。 瓦礫戦うには、下準備やら、知識やら 必要やから、共に、勉強しましょう! 」と書いておられた。わたしは反対と思っているだけで、なんの活動もしていない。関電前抗議集会と脱原発デモにときどき参加して、自分の行動と思いを当ブログに書いているだけである。

瓦礫問題には当然関心を持っていて、去年の暮れに「【大阪】放射能燃やしていいのか 住民説明会」に行った。行ったのも記録しておいたこともよかった。これがあるから今日の話についていけた。ただ、説明会に行ったはいいが、あとはなんにもしていない。
「いま、大阪の橋下市長はがれきの受け入れを表明している。がれきは大阪湾の人口島 舞洲(まいしま )にある此花区の焼却場で焼却し、濃縮されたセシウムや有毒化学物質をを含む焼却灰は舞洲処分場に埋められる。 舞洲のある大阪湾は瀬戸内海に通じている。」ということをチラシをもらって知った。そして、今日の講演会の世話役をされている方々の活動も知りたいと思った。

木下黄太さんのことはずっと前からツイッターで知っていた。ただツイートを読むだけだからどういう人とか知らなかったし気にしていなかった。ところが最近彼を批判するツイートが目立ち、わたしとしてはかえってよく見えているのにと不審に思って、彼の講演を動画で見たり、検索してみたりした。そしたらいっそうステキな人に思えてきた(笑)。というわけで相方とふたりがそれぞれ予約して行った。

木下さんは伝えておきたいということがたくさんある人だった。
まず名張と伊賀の状況を話された。北九州市の話もあった。

「この問題を認識したら、つぎは動け」の言葉にどきっとした。

大阪のことになって、実際にはがれきがないこと、近畿で瓦礫受け入れに手を挙げているのは大阪市だけになったこと。
そして橋本市長について、本質がないテレビタレントであること。彼が言ってるのではなくテレビが彼に言わせているなど。

放射性物質についての説明で、いちばん怖いのが白血病であり、煙が漂っていたあたりに白血病が多いとのこと。また、がれきのせいで鼻血が出ても証明できないからといって、因果関係さえ判明しなければやってもいいというのが彼らの言い分であること。

東京のさまざまな状況を話された。
質問の時間になって、東京から避難されている人たちからの話もあった。

大阪は奇跡的に安全な場所である。なのに大阪ではスーパーなどに関東地方の安い食料品が出回っており、大阪の女性がなにも考えずに買っている。それは京都や四国よりも遅れている。このゆるい大阪を変えていかねばいけない。
此花区でずっと反対運動をされている年配の女性ふたりの言葉が重かった。

講演と質問の時間が終わって、あと9時半まで話そうということになり、椅子を丸く並べて話が続いた。
がれきを出すほうの岩手県知事に、出さないようにとハガキやファックスを送ろうという意見が出た。
年末の説明会に来ておられた下地さんが、大阪府下の自治体はどこもOKしていなくて、橋下市長ひとりであること、我々は勝つ直前にいると誠実に話された。
活動的でおしゃれな女性たちが早口で意見を言い合う姿にほれぼれした。
工夫を凝らしたチラシがいろいろと配られた。
とても、刺激的な3時間だった。

大阪駅とnu茶屋町観光

横浜在住の妹が自閉症者の次男と里帰り(里はすでにないが)。おとといは姪の夫の一周忌に出席し、昨日は大阪在住の長男を誘って出かけて姉の家にも行き、大阪駅のホテルに泊まって快適な三連休を過ごしたようだ。三日目の今日は夕方の新幹線までわたしが接待することになった。姪たちにどこへ行ったらいいか聞いたら、大阪駅観光がいいって。時空(とき)の広場で待ち合わせしろって。そこへ行くのにどう行くのかわからんので早めに行った(笑)。
エスカレーターで上へ上へと昇るとレストラン街がある。どこもかしこも店の外に人の列が続いている。ちょうどいた店員さんに聞いたら1時間半待ちだそうだ。これはあかんわと景色を見るのもそこそこに降りて地上に。

梅田はシャーロック・ホームズ以外に食べるところに行かない。あいにく今日は月曜日で定休日である。阪急の食堂街に行こうかと思ったが、ガード下に食べ物屋さんばかりぎっしりあるやんと行ってみた。あったあった、和食屋さんが。そこでいちばん高いセットを頼んで落ち着いた。

夕方までかなり時間がある。茶屋町でも行くかと歩き出したが、暑い〜 顔や首筋に照りつけるお陽さんがすさまじい。nu茶屋町(ヌーちゃやまち)って初めて行った。昔ロフトに行くのに通った小さな家やお店がみんななくなってビルになっている。涼を求めてカフェに入ってパフェ。外を眺めると本屋みたいなので行ってみた。求めていた本がなく、しゃあないなと大阪駅へもどって、喫茶店でコーヒー。とにかく暑くてしんどいので座りたい。大丸で息子の職場へのお土産を買うのを手伝い改札口まで見送った。

そのまま帰るのも中途半端な感じがして堂島のジュンク堂へ。翻訳ミステリ読書会用の本と先日読んでおもしろかった「特捜部Q 檻の中の女」の2作目「特捜部Q キジ殺し」を買った。これは山田真さんが褒めてはったので早く読みたい。
帰ったらおとといの深夜にアマゾンの中古本で注文したルース・レンデル「ハートストーン」が届いていた。
ヴィク・ファン・クラブ会報を早く仕上げて読書したい。この3日間全然手を付けてないのでいつできるやら。

イギリスのミステリ名作をもらった

姪は翻訳物を読まない人なので、いつも母親が遺したミステリ本を持って帰ってほしいと言っている。わたしがまわした本もあるのを知っているからだが、読まない人間にはものすごいでかい本棚に入った本の処理は困るよね。前回は雑誌「宝石」の内容を覚えているのをたくさんもらった。その後、別にしまってあったのが出てきたらしく、ポケミスと文庫本がびっしり並んでいるのにおどろいた。20年くらい前に亡くなったので1990年くらいまでに出たハードボイルドとイギリスの警察ものがいっぱい。ほんまに好きな人が見たら宝の山やでと言いつつ、数冊もらって帰った。

P・D・ジェイムズ「女には向かない職業」(昔読んだまま。いま思い出しつつ読んでいる)「ナイチンゲールの屍衣」(未読)、コリン・デクスター「キドリントンから消えた娘」(読んだけど内容覚えてない)「ウッドストック行最終バス」(ウッドストックをアメリカの音楽祭があったところと間違えて買ってがっかりした思い出あり。1976年)、ルース・レンデル「乙女の悲劇」は初めて読む。
それにしても昔のポケミスの字の小さいことよ。

上記のことをツイッターでつぶやいたら返信があった。ルース・レンデルの「ハート・ストーン」を読みたくなったんだって。こりゃあきません、だって全然知らないんだもん。彼女がいうならきっとステキな本に違いない。検索したらこんなことが・・・「父と妹の三人で古い館に住む少女のお話」「母親が病死した15歳から19歳になる前までを一人称で綴った」なんて書いてある。福武文庫って高いだろうなとアマゾンで見たら、なんと61円なのであった。すぐに注文したから明日くらい届くでしょう。

センチメンタルジャーニーと方向オンチ

この3年足らずのあいだに何度か葬儀があってその後の法要もある。今日は姪の連れ合いの一周忌に行った。阪急電車の三国駅から歩いて15分ほどの葬儀場にある別室で法要とあとの食事をするとのこと。三国は昔住んでいたところに近いなじみの場所。友だちもたくさん住んでいたしなじみのお店もいろいろあった。だけど40年くらい行ってない。いまどうなっているか見たくなって早めに出かけた。前回はいそいでいて三国駅から国道に出てしまったので思い出もなにもなかった。

今回は古い道を通ろう。駅から出るとロータリーになっていてタクシーが並んでいる。昔の狭い汚い風景が全然ない。うろうろして三国橋を探した。駅の位置が変わっていたのだ。橋のたもとに「三国の渡し」の解説の石碑が建っていた。落語「池田の猪買い」で「三国の渡しを渡って、十三の渡しを渡って・・・」の三国の渡し船があったところだ。昔は堤防があったのか覚えていないが、いまはきれいな散歩道になっているようだ。
橋を渡ると、びっくりするくらい変わっていない。新しい家もあるがたいていは古いままでお店も電気が暗くて、ほんまに昔みたい。たしかこのへんとアタリをつけて曲がったのが間違いの元で道に迷った。方向オンチなんだから時間が決まっているときは寄り道禁止にしないとね。まあぎりぎりでセーフということで。

長い読経と冷房の寒さをガマンしてようやく昼食になった。食べても汗をかかないのはいいけど。いつも暑いところに慣れているのでほんまに困る。
横浜から妹親子が来たので、姪の家までいっしょにつきあった。亡姉のミステリ本が大きな本棚いっぱいに入っているのから数冊もらって帰った。その話は明日。

アンドリュー・クレメンツ『はるかなるアフガニスタン』紹介

アフガニスタン カプールの北の丘にサディードという頭のいい少年が両親と妹と住んでいる。先生が学校にとどいたアメリカ人少女の手紙に返事を出すのが礼儀だと村の長老たちを説得する。そして勉強のできるサディードを推薦するが相手が女の子なので、妹に書かせることになった。2歳年下のアミーラと文案を考え彼が英語に翻訳して返信を出す。

アメリカ イリノイ州の少女アビーは体育館の壁にしつらえてある岩登りが好きで、勉強する気がなく落第さすと教師にいわれる。必死で勉強するからと頼むと勉強以外の課題としてくじびきで外国の子どもとの文通することになった。山のあるところの人がいいとアフガニスタンを選び手紙を書く。

ふたりとも両親に愛されてしっかりと生きている。アフガニスタンもイリノイ州も大地に根ざした場所である。妹の名前だけど実はぼくが書いていたと別の手紙で告白し、ふたりの気持ちがつながる。
しかし、アメリカでは掲示板に貼った手紙のコピーにアフガニスタンの旗の写真をつけたのが、気に入らないという人がおり、アフガニスタンでは切手のアメリカ合衆国国旗が批判される。
アビーにはカプールの丘の石のかけらが、サディードにはイリノイ州の大地の土がほんの少し残された。

とても楽しく、ほろ苦く、一息で読んでしまった。
これで物語は終わってしまうのだが、数年後に少年はアメリカの大学に行き、少女と再会するという後編があったらいいな。
(田中奈津子訳 講談社 文学の扉 1400円+税)

アンドリュー・クレメンツ『はるかなるアフガニスタン』感想

昨日は物語のおもしろさに引っ張られてたったと読んであらすじだけを書いて終わってしまった。
はじめて読んだ作家だけど、アンドリュー・クレメンツは優れた児童文学の書き手のようだ。職業としてきちんと考え抜いた物語を書く。そしていま生きて学んでいる少年少女たちを励ます作品を書くひとだと思った。

細かいことにも気が配られている。アメリカの少女はアメリカという国を現すいろいろなデザインの切手をたくさん貼った手紙を出す。なにげなく少女っぽい。切手を収集するのではなく使うために買う切手愛好者としてうれしくなる。

ふたりともそんなに豊かではないが、愛に恵まれた家庭の子どもで賢く育ち、家事の手伝いをするのが当たり前と思っている。そういう生活がすごく自然に描かれているのも読んでいて楽しい。

少年が小さな丘の石のかけらを送ると、少女はイリノイ州の土を送ってきた。
【この土は、森の中の、今作っている木のとりでの近くで取りました。(中略)だれもさわったことのないものを(中略)地球上に生きてきた人間の中で、この土をさわるのはわたしが初めて。そして、あなたが二番目です。】

2009年の作品で翻訳は2012年2月。
(田中奈津子訳 講談社 文学の扉 1400円+税)

映画「第4の革命 – エネルギー・デモクラシー 」をユーストで

今日〈『第4の革命』無料Ust配信&上映会!山口から「エネルギー維新を!」本日7月10日17:30から〉というのがあるのを知って見ることにした。時間がないのでゲストトーク等は見ないで7時半からの映画だけ。

2010年ドイツで製作されたドキュメンタリー。監督はカール=A・フェヒナー。
検索したらこうあった。【本作は、ドイツを脱原発決定へ導き、再生可能なエネルギーへのシフトを決断させたドキュメンタリーで、2010年ドイツ全土で上映されると、その年のドキュメンタリー映画最高の13万人を動員し、2011年テレビで放映されたときには200万人が視聴した。】

大量の風力発電導入を促した1990年の“電力買い取り法”と、太陽光発電導入の起爆剤になった2000年の“再生可能エネルギー法”の2つの法律を制定させた中心人物ヘルマン・シェーアがナビゲーターになって「第4の革命 – エネルギー・デモクラシー 」について熱く語る。
太陽エネルギー、風力、水力、地熱エネルギーは誰でも平等に利用できる自然エネルギーであるとして、地球上のいろんな場所での太陽パネルや風力発電のシーンが紹介される。
アフリカの村には電気なしで暮らしている人がたくさんいる。お産をするのに懐中電灯を抱えて2晩過ごした話など、そして太陽パネルが取り付けられ、スイッチを押すと部屋が明るくなった。
ビアンカ・ジャガーが案内人と奥地に入っていく。ビアンカがこういう活動をしているのを読んでいたけど映像で見られてよかった。

見終わってから製作年をみたら2010年だった。やっぱりフクシマ以前の映画だ。ほのぼのと気持ちよい。いま製作したらフクシマについて語って悲惨な場面もいっぱい出てくるはずだ。
それにしてもフクシマの現状があるのに、原発再稼働に邁進する日本の政府と官僚と電気会社ってなんなんだろう。なんたる国に住んでいるんだろう、わたしら。考えさせられる映画だった。

肩こりがいっぱい

せめてタイトルだけでもおもしろくして楽しげにしようという作戦(笑)。
先々週の金曜日の夜から肩が凝っている。30日深夜の「大飯原発再稼働反対」のIWJのユーストを朝まで見ていて、翌7月1日も午後から見ていてご飯支度を忘れた(笑)。1日の夜はデモ隊が引き上げるところまで見ていた。目が疲れて肩が凝って当然だよな。耳にはいまだに「再稼働反対」がひっついているような気がする。

年を取るということはほんまに新しい体験で、いままで平気でやってたことが平気でできなくなる。無理してやるとできなくはないが、あとで疲れが出たり肩が凝ったり足が痛んだりする。雨の日にデモに行けば膝に堪える。本はおもしろいから必死で読むのでますます老眼がすすむ。

ずっと通っていた整骨院が閉じてしまい、新しいところをまだ探していない。マッサージチェアを借りられるのでそれで間に合わせている。月曜日は借りることにしよう。
今日はサロンパスを貼ったら、剥がしたあとが痒くてたまらん。これをアップしたら切り札の半身浴で和むことにしよう。

今日は花屋で見かけた昔ながらの鶏頭の花を3本買ってガラス瓶にいれている。眺めているだけで気持ちが落ち着く。こういうのがいまの流行になりつつあるんやな。百日草とか鳳仙花とか千日紅とか松葉牡丹とか大好き。

ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q 檻の中の女』(2)

5年前にさかのぼる。民主党副党首ミレーデ・ルンゴーは美貌と頭脳で記者たちに好かれていた。彼女は首相と彼の賛同者にも決して媚びないチャーミングな女性だった。夜は働かないことで了解を得ているミレーデは仕事が終わると家に車を走らせる。家政婦が食事の用意をしてある家に弟のウフェがテレビを見ながら待っている。障害をもつウフェはミレーデだけを頼りに生きている。21年前の自動車事故で両親が亡くなり、ウフェは内臓出血で5カ月入院した。脳の血管に出血があったためいまも口がきけない。ミレーデだけが助かったのだ。

ミレーデはウフェと週末にベルリンへ行こうと思う。ふたりはフェリーで出発する。
そのフェリーでミレーデは行方不明になった。捜査は難航しミレーデは見つからないままである。ウフェは最初は海へ突き落とした犯人として逮捕されるが釈放されいまは施設にいる。

それから5年、カールとアサドは調査を再開する。
当時の捜査状況をあらゆる角度から検討して一歩ずつ前進していく。
カールは私生活もややこしい。別居している妻がいて義理の息子はカールの家にいる。昇格試験を受けないために警察署内での位置もややこしい。
次作「特捜部Q キジ殺し」を早く読みたい。
(吉田奈保子訳 ハヤカワポケットミステリ 1900円+税)

ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q 檻の中の女』(1)

久しぶりにミステリにのめりこんだ。ユッシ・エーズラ・オールスンによるデンマークの警察もの「特捜部Q 檻の中の女」がおもしろい。医師の山田真さんが2作目の「特捜部Q キジ殺し」を激賞されていたので、まずは1作目を買ってみた。これ読み上げたら2作目を買いにいく。
あと少しで読み終わるのだが楽しみを引き延ばしておもしろいということだけでも書いておこう。

コペンハーゲン警察のカール・マーク警部補は部下の二人とともに悪臭に気づいた隣人が通報した朽ち果てた小屋に入って行った。死臭立ちこめる中へ入って5分もしないうちに銃撃される。アンカーは死亡しハーディは脊椎損傷専門の病院に入院中である。生き残ったカールは罪悪感から立ち直れないでいる。

カールはヤコブソン課長から新しい部署で働くように言われる。新設の部署〈特捜部Q〉はカールが単独で動き、全国各区の未解決事件を担当する。オフィスは地下におくといわれてカールは思う「不愉快な同僚は隔離房に監禁か」。オフィスが整うと彼は助手を要求する。

地下のオフィスにやってきたのはハーフェズ・エル・アサドと名乗るシリア系の浅黒い肌の男でカールよりも年上のようだ。彼は掃除をしお茶を入れ書類の整理をする。二人はたくさんの未解決ファイルの中から「女性議員失踪事件」を選ぶ。
(吉田奈保子訳 ハヤカワポケットミステリ 1900円+税)