サラ・パレツキーの新刊、短編集『アンサンブル』は5月下旬発売

ツイッターを開いたら早川書房の編集者さんのツイートが目の前にあった。なんだか通じてると思っておかしくなったが、サラ・パレツキーの新刊、日本オリジナル短篇集「アンサンブル」は5月下旬発売とある。さっそく「今月の会報に間に合ってうれしい」とRTしたら「10篇収録。うち4篇がVIものです」と応えてくださったので、お礼を述べた。お気に入りに入れたひともいるし、ヴィク・ファン・クラブ会員のツイッター初体験のKさんは「やったあ!」と初返信。ミクシィのつぶやきに入れたらたくさんの「イイネ」がついていた。今夜はなかなかにぎやかな夜であった。
いま会報を制作中で表紙とあとがきとあと1ページが残っているのでどこかに入れる。ちょうど間に合ってよかった。

堅い記事あり柔らかい記事ありのA4 28ページ、作りながら原稿を書き、隙間なく文字でうまった。最近は写真のあるページはレーザープリンターでカラーで出しているので読みやすくなったと思う。明日もうひと頑張りしてあさって送るつもり。

風邪にエキナセア、ミクシィ日記のこと、広瀬隆講演会

エキナセアというハーブが風邪に効くと聞いて、大阪では東急ハンズに売っているそうなので相方が買いに行った。数日前から風邪を引いてナンギしているのは相方のほうである。夜中に咳が出て困るので龍角散を買ってきた。そのことをフェイスブックに書いたらエキナセアを教えてくれたそうだ。咳が出たら龍角散やと思い込んでいる昔人間(笑)。
わたしは風邪を引いても薬を飲んだことがなく、暖かくして1週間くらいのあいだに症状が通り過ぎていくのを待っている。今回はハーブだからとエキナセアをいっしょに飲んでいる。まだすこし咳が出るが1週間せずに通り過ぎていきそう。

ミクシィにわたしの日記がないとつまらないとメールをもらったので、2カ月やめていたがもどることにした。オリジナル日記はしんどいので、ここと同じものを入れることにした。ここは以前コメントをもらっていたが、スパムコメントが多いのでやめてしまった。それで軽い話題のときは(たいてい軽いが)ミクシィでコメントしてもらうと若い友人たちと打ち解けてしゃべれる。
さっそくエキナセアについて二人からこれはいいとのコメントをもらい、翌日の公園散歩もおにぎりがおいしそうとコメントをもらった。イイネもたくさん。

9時から〈広瀬隆 講演会 2012.3.20「第二のフクシマ・日本滅亡」東海原発廃炉から始まる新時代〉の動画を見た。3時間あったがわかりやすくてじっと見ていた。30年くらい前にアメリカ村のホールの講演会に行ったことがある。

レジナルド・ヒル「ベウラの頂」(3)

10日以上ずっと本書を読んでいる。本を読む時間が少ないせいもあるけど、それにしてもこれだけ長く1冊の本を読んでいるのはめずらしい。二度は最初から読んで、つぎはお気に入りのところを繰り返し読んでいる。

読んでいるうちに映画「ピクニックatハンギング・ロック」(1975)を思い出した。オーストラリアで実際に起こった事件を書いた小説をピーター・ウィアー監督が映画化した。1900年のバレンタインデーに寄宿学校の女子生徒たちが岩山へピクニックに行き、3人の少女が魅せられたようにずんずん登っていき姿が消える。白いドレスの少女たちの美しさと儚さがいつまでも残る映画だった。

15年前にデンデイルの村から3人の少女が消えてまだ見つかっていない。そのとき捜査に関わったダルジール警視とウィールド部長刑事はその事件を忘れることはない。近い場所でいままたひとりの少女が犬を連れて散歩中に消えた。

15年前、貯水池にするためにデンデイルの村は全村が移住させられた。絵本「みずうみにきえた村」(ジェーン・ヨーレン文/バーバラ・クーニー絵 ほるぷ出版)を見ると、ニューイングランドの村がボストンに水を供給するために消えて湖になった様子がくわしくわかる。そのように「ベウラの頂」を仰ぎ見る村も水没させられた。いまは水位がさがって壊された昔の村が峯から見える。

今回の事件はダンビーで起こったが、前回の事件と似ている。「きっと少女を襲った野郎はそこでやめられないだろう」とダルジールはいう。二度目の犯罪を起こさせないこと、いまの事件の解決と15年前の事件をいまこそ解決しなければ。それぞれの警官たちが動く。

ピーター・パスコーは娘ロージーが重病にかかり生還した体験から事件に深い関与の気持ちを持つ。
【「・・・ぼくはデーカー夫妻に対してそういう気持ちなんだ。彼らに残されているのは、知るということだけだ。ぼくがこの段階で言っているのは正義でも報復でもない。ただ単に知るということだけだ。この点で、ぼくは間違っているかもしれないが、彼らに対して、また、ロージーをぼくらに返してくれた神だか盲目の運命だかに対して、ぼくにはこの件を確かめる責任がある。】

15年前に行方不明になったひとりの少女の家を訪ねると、窓台に野の花が生けてある。キツネノテブクロとオニタビラコ、わたしも知っている野の花なのがなんとなくうれしい。
(秋津知子訳 ハヤカワポケットミステリ 1800円+税)

今夜のSUBは、Two Guitarists

金曜日のSUBは竹田一彦さんのギターと財盛紘さんのデュオの日なんだけど、今夜は東京からのギタリスト菅野義孝さんと竹田さんの「Two Guitarists」だった。ふたりは息の合った華麗なギターを聞かせてくれ、客はみんな時間や仕事のことや苦労を忘れて聞いている感じ。ふと顔を上げて客席を見渡したら恍惚とした表情で聞き惚れている人もいて、満員の客全体に幸福そうな気配が充満していた。

わたしは先日からレジナルド・ヒルの傑作「ベウラの頂」を読んでいて、アタマの中は滅多に味わえない幸福感に満たされている。この作品ではマーラーの〈亡き子を偲ぶ歌〉が底に流れていて重要な役割を担っているのだが、今夜のわたしには、ふたりのジャズギタリストが奏でる音が〈亡き子を偲ぶ歌〉とだぶっていた。

演奏中に突然喉がいらついて咳が出てナンギなことになったなとハンカチで口をおさえたが、バッグにのど飴が1個入っていて助かった。非常袋を持ってるもんですね。生姜飴(うどんや風一夜薬)とビニール袋と小型懐中電灯(サラ・パレツキーさんにいただいたシリーズ30周年もの)と手帖とペン、健康保険証をお気に入りの小袋に入れている。でも1個だけなので、効力があったところで口から出してハンカチに包んでおいて、もう一度咳き込んだので、また使った(笑)。今日は一日中背中が凝ってたし風邪を引くのかも。今シーズン最初の風邪やな。

口内炎はストレスから

つい最近のことだけど唇の内側の皮がむけるというか傷がついたというか、少しヘンですぐに舌で触ってしまう。これが口内炎かしらといま検索してみたら口内炎の一種であるようだ。原因はストレスというのに思い当たるふしがある。
だいぶ前に一度なったことがあって、ミクシィ日記に「もう治ったけど口内炎やったのかな」と書いたことがある。それに「口内炎は口撃するからなる」というおかしなコメントがついたので覚えているのだが(笑)。

ここんとこずっと大飯原発や瓦礫処理のことをぐるぐると考えている。また、今日の午後には福島第一原発の〈4号機でプール冷却システムのポンプ自動停止〉が起きた。ほんまにこの国はどうなるのかと思うとストレスがたまるいっぽうだ。
単純だがストレス発散のため、明日はジャズを聞きにいき、22日はデモに行くとする。

レジナルド・ヒル『ベウラの頂』(2)

ベッツイの母は薬の過剰服用で亡くなり、父親は石を上着のポケットに詰めて入水自殺した。ひとりになったベッツイは金持ちの親戚ウォルターとクローイ・ウルフスタンに引き取られやがて養子縁組する。そして一流の精神科医によって治療を受ける。
いまはほっそりとしたからだで金髪のかつらの美女で未来あるクラシック歌手である。クローイにとっては行方不明になったままの娘メアリーの代わりになるはずもないが、受け入れている。
そういうことをダルジールに話したのは上流階級出身のキャップだった。二人の仲は修復されていく。
村の人たちが15年前と同じように迷宮入りするだろうといっているのを感じてダルジールはあせる。

ノヴェロ刑事は当日外にいた人たちが見かけた車について調べる。ゴミ箱のゴミをビニール袋に入れて持って帰ったのが決定的なところで役に立つ。
先の見えない捜査中にパスコーとエリーの娘ロージーが重病にかかり入院する。ノヴェロはパスコーに替わって調査仕事をやりとげる。ノヴェロはカトリック教徒でロージーのために蝋燭をあげて祈り、そのことをパスコーに告げる。

ウィールドの恋人エドウィンが社主のイーンデイル出版社が出した絵本「ニーナとニックス」をウィールドがロージーにプレゼントした。この地方に伝わる少女と怪物のお話をロージーはいまいちばん気に入っている。この本がエリザベスが歌う「亡き子を偲ぶ歌」とともに物語の背景になっている。
(秋津知子訳 ハヤカワポケットミステリ 1800円+税)

レジナルド・ヒル『ベウラの頂』(1)

図書館の本でヒルを読みはじめた最初のころに読んでおもしろかったのだが、おもしろみが半分くらいしかわかっていなかったのだといまわかった。一度読み終わって再読しているところだが、本書はみんないいダルジール警視シリーズの中でも特に素晴らしいと思った。

登場する警察官たちの過去がわかっているのとないのでは大違いで、だからこういう現在があるのだとわかって読むとよけいにおもしろい。特に「幻の森」でダルジール警視が出会ったキャップ・マーベルとの再会があるし、ウィールド部長刑事が伴侶を得る「完璧な絵画」の登場人物たちのその後がいろいろある。「幻の森」でウィールドに救われた猿も出てくる。パスコーは同じ名前の曾祖父ピーター・パスコーが第一次大戦中に英国軍によって処刑されたことのショックがあとをひいている。今回は娘ロージーが重病にかかって回復するまでの苦悩をこえて事件に取り組む。若き女性刑事ノヴェロの苦渋や活躍も胸に響く。

デンデイルの村がダムの底に沈むと決まったとき、ベッツイは7歳で両親と暮らしていた。ベッツイは小太りで色が黒かったせいもあり男の子がほしかった母親の気持ちから髪は短くスボンをはかされていた。父親は農業のほかにベウラの山に羊を放牧する権利を持っていた。
知り合いのおじいさんは「鼻」と呼ばれていたベウラの山の斜面にはいっぱい洞穴があって、日向で眠り込むと水の精なんかに連れ込まれ二度と帰ってこなかった子供たちの話をしてくれた。
その話をするのをぴたっとやめたのは、ほんとにそれが起こりはじめたからだ。夏休みに入ったとき、ジェニーがいなくなった。次にマッジがいなくなり、その次にベッツイのいとこのメアリーがいなくなった。3人とも金髪の美しい少女だった。
ダルジール警視やウィールド部長刑事たちの必死の捜査にもかかわらず迷宮入りしたのが15年前のことだ。パスコー主任警部はそのあとに赴任してきた。

15年後の日曜日の朝、ピーターとエリーとロージーのパスコー家の食事中にダルジールがやってきた。ラジオのマーラーを聞いて普通はドイツ語だろうという。「エリザベス・ウルフスタンが歌うマーラーの〈キンダートーテンリーダー、亡き子を偲ぶ歌〉第一番」とアナウンサーがいい、続けて解説が、これは彼女自身の翻訳であること、22歳でこういう難曲に取り組むひとは珍しいという。
エリザベス・ウルフスタンはいなくなったいとこのメアリーの両親の養子になってベッツイからエリザベスに名前を変えた。髪を金髪にしようとして失敗しカツラをかぶっているが、ほっそりした体にするのに成功しいまは将来ある歌手として注目されている。

ダルジールはアロハシャツ姿でくつろいでいるところに少女が行方不明と呼び出しがかかり、パスコーを引きずり出しにきた。
ローレインは今朝早く両親がまだ寝ているあいだに子犬のティッグを連れて散歩に出たまま帰ってきていない。
ダルジールは15年前の未解決事件との関連を思う。たまたま15年前に容疑者だったが取り逃がしたペニーが帰ってきたという落書きを見かける。
(秋津知子訳 ハヤカワポケットミステリ 1800円+税)

のびるの酢みそ和えは春の香り

中央図書館のとなりのスーパーコーヨーの角を曲がったところの食べ物屋さんが店の前で採れたて野菜を売っている。道の駅みたいに竹筒に代金を入れるのも楽しい。今日は水菜と菜花の他に野蒜(のびる一束200円)を買った。
泥を落としてよく洗い茎を切ってさっと茹でて酢みそで食べたらおいしくて春の香りがした。街にいながら田舎が食べられてありがたい。
今日は相方が夕方から「4.6原発再稼働許すな!首相官邸前&関電本社前抗議」に行ったので、晩ご飯をつくってお出迎え(笑)。

今日の晩ご飯:日本酒熱燗、のびるの酢みそ和え、厚揚げとキノコと水菜の炊いたん、五分づきご飯、菜花の味噌汁、塩昆布、たくわん、梅干し、ヤーコン茶、フェナンチェ、コーヒー。
フェナンチェは妹の息子が働いている自閉症者の作業所製を送ってもらった。マフィンと桜が焼きこんであるバウンドケーキが入った大箱なので当分おやつたっぷり。

青空文庫で坂口安吾と宮本百合子

ツイッターで坂口安吾の「桜の森の満開の下」が好きとつぶやいてるひとがいて、わたしも好きですと返信したら読みたくなった。だが全集をさがす根気がない。ふと思いついて青空文庫をさがして読んだ。そしたらもう一度「吹雪物語」を読みたくなった。
安吾を思いつつ、そやそや青空文庫つながりで宮本百合子が「伸子」で湯浅芳子と知り合うところを確かめたい。

宮本百合子の著作はすごくあってびっくりした。さっそく「伸子」を開く。
パソコンではフォントも行間もちょうどよくて読みやすいのだが、思ったところへいくのにスクロールがばかにならない。特に読みたいところが長編小説の終わりのほうだから、ちょこちょこ読んでいたら結婚生活の描写が長くていらいらした。ようやく野上弥生子が湯浅芳子を紹介したところになった。ふたりは散歩したりご飯を食べたりする。そしてわたしが読みたかった寝そべって話すシーンになった。はじめて読んだときは、宮本顕治夫人の百合子さんがレズビアンでもあったとはまったく知らなかった。単純に仲のよい友だちどうしでいっしょに暮らしたしモスクワへも長期間行ってたと思っていた。でも「伸子」のこのあたりになんかもやもや感じてたのを思い出して。
「百合子、ダスヴィダーニヤ」という映画が去年話題になっていたのを思い出してサイトを探したら、予告編があってラブシーンがあった。

相方が青空文庫を読むならiPadを使えばいいのにとアプリを入れてくれたので、次の青空文庫の読書はiPadにする。ちょっと夏目漱石「三四郎」の「これは椎」のところを開いてみた。読みやすいし、スクロールいらんしゴクラクや。

SUBでシクラメン

2日から5日までベースの宮上啓仁と井上幸祐が入れ替わるだけであとは同じメンバーというシクラメンの今日は3日目。
地下鉄から出て階段を昇りかけるとドラムの音が聞こえてきた。練習してるのかしらと思ったら、8時半前にもうはじまっていた。
メンバーは横尾昌二郎(trumpet) 長谷川朗(sax) 蓼沼ゆき(piano) 宮上啓仁(bass) 中道みさき(drums)。
トランペットとテナーサックスがふたり並んで目の前で吹くのだから景気がよい。ふたりの気が合っていて、好きでやっているという幸福感がもろ伝わってきて楽しかった。長谷川さんのサックスからはニューヨークからの風が吹いてきた。宮上さんのうまいベースがそれを受ける。蓼沼さんのピアノもよく響いた。そしてはじめてきくドラムの中道さんは大学1年生。10歳からドラムをやりはじめたそうで、うまくて力強くてしなやか。しっかりファンになった。
10時過ぎまでいい演奏を聞かせてもらってしあわせな気分になって帰った。
これからもこのメンバーでやるそうで、グループ名はシクラメンだと長谷川さんがいい、みんなで笑った。

先日はTさんにターキーサンドを半分いただいて食べたのがおいしかった。今日はわたしが隣に座った女子に半分わけてあげた。近所で働いているひとで地下鉄の階段を降りるときにいつも気になっていたけど今日はじめて入ったとのこと。話がはずんで楽しかった。