「夜の真義を」のタイトルを間違えてた件

3.11以後はどうにも落ち着きがなくていけない。ツイッターの書き込みが多い上に、記事やブログへの引用が多いしユースト等へのリンクも多い。いままで読んでいない週刊誌も買っている。東北へ思いをはせたり、原発の知識も得たいしと、ピンク色の脳細胞は大忙しである。
前置きをながながと書いたけど、こんな失敗してしまった言い訳です。

3月の30日、31日、4月1日の3日にわたって、マイケル・コックス「夜の真義を」の感想を書いた。数日前にふと気がついたのだが、みんな「夜の信義を」になっていたぁぁぁぁ
本のタイトルを間違えてしまったらいかん。慌てて直してほっとしたのだが、その数日後にこの本を翻訳された越前敏弥さんがツイッターで、「真義」を間違っている人が多いと書いておられた。いろんな「しんぎ」があるが、ブログに「夜の信義を」と書いた人がいるとあった。こりゃわたしのことだ!と「すみません、すでに直してあります」とRTした。そしたらちゃんと返事をツイートしてくださった。最後には「この作品の魅力をたっぷり伝えてくださって感謝します。」と書いてくださりリンクもしてくださって感激。

ほんまに気をつけなあかんと思ったのであった。ところが昨日も誤変換してた。ドラムの弦牧さんを最初は「鶴巻」としてすぐに直したはいいが「弦巻」に。そしてようやく「弦牧」に。ああ、カッコわるぅ。ごめんね。

ダイアン・デヴィッドソン『クッキング・ママのダイエット』

「ゴルディ・シュルツ・ケイタリング」を経営するゴルディを主人公としたシリーズ(日本語翻訳では「クッキング・ママ」シリーズ)の15冊目で2010年10月発行。Sさんに貸していただいた。今回もいらいらしながら読んで、読み終わってほっとした。

息子のアーチは大きくなって友だちが泊まりにきたり、また友だちのところへ行ったりと頼もしい少年になっている。刑事である夫のトムとはとても仲良く暮らしている。
ゴルディのゴッドファーザーである弁護士のジャックがすぐ近くに引っ越してきて仲良く暮らしていきた。ジャックはゴルディの最初の結婚での苦労を知ると、離婚してケータリング業をはじめるようにと大金を送ってくれたことがある。元の夫にDVで苦しめられたが、ゴルディが別れてから元夫の妻となりすぐに別れたマーラはずっと親友である。今回も重要な役わり。

ゴルディは結婚式のケータリングを頼まれるが、花嫁のビリーがわがまま放題に育った金持ち娘で、すぐに気分が変わる。献立の変更はあるわ、直前に人数を増やすわ、場所の変更はあるわで、最後に〈ダイエット道場〉のスパに決定。ゴルディのいらいらはつのるばかり。

医師のドク・フィンが謎の死をとげる。彼は死ぬ前にスパを調査していた。ビリーの結婚相手は医師のクレイグで金持ち娘のビリーに引っぱりまわされている。
その間に結婚式の料理をどうするかの話がある。ジュリアンを助手に頼んで手順も確認する。大型冷凍庫と広いウォーキング(?)冷蔵庫にいろいろ入っていて、なんでもできてしまう。仕事で料理するからといって普段の料理を手抜きということにはならない。夫のトムの料理の腕前もたいしたもの。

料理とドク・フィンの死因と、いやらしいスパの経営者との確執と、読者にゴルディのいらいらがうつってきたところへ、ジャックの死が。遺された証拠品からゴルディは謎を解こうとし、危険な目に遭う。
今回はレシピが多い。わたしに作れそうなものはあるかしら。
(加藤洋子訳 集英社文庫 819円+税)

SABで贅沢なひととき

月に一度の西山 満 QUARTET[西山 満(cell) 歳森 彰(P) 財 盛紘(B) 弦牧 潔(D) ] の夜。
今夜も西山さんのチェロの響きが美しい。歳森さんのピアノは独特のスイングで、弦牧さんと財さんの真面目な演奏のアンサンブルが楽しい。仕事を終えて駆けつけたHさんとともに楽しんだ。

すぐに忘れてしまうので、いつもメモしておこうと思うのだが、今夜もステキな曲があったのにタイトルを忘れてしまった(弦巻さんが教えてくれたので翌21日に入れました)。ミルト・ジャクソンが西山さんに贈った曲「Soul Mates」。長いこと演奏していなかったと西山さんはおっしゃっていたが、ステキな曲だった。そしてブルースはいつの演奏でも素晴らしい。ビリー・ホリディ(西山さんはビリー・ハラデーと発音)の曲「I Cover The Waterfront」もよかった。

演奏が終わってからの雑談も楽しかった。おしゃれなHさんがいると場の雰囲気が変わっていい感じになる。

「ミルト・ジャクソンのはSoul Matesで、ビリー・ハラデーのはI Cover The Waterfrontですよ。」と弦牧さんが教えてくださったので入れました。弦牧さん、いつもありがとうございます。

PRHYTHM EXPERIMENT

3年ほど前に細野ビルヂングでYOSHITAKEさんのギターライブを聴いてからファンになった。先月アメリカ村のアイヌ・ダブのライブに出演されたとき、17日はぜひ聴いてほしいと言われていたので楽しみにしていた。玄米ご飯つきのライブである。フライヤーのタイトル「PRHYTHM EXPERIMENT」を見てもイメージがつかめないのだけれど、きっといいに違いない(笑)。6時からなので大慌てで出かけた。

バーカウンターですぐに玄米ご飯のカレーにありつけた。うまかった。
わたしはCOMPUFUNKの奥の部屋に入るのははじめてだがちょうどいい広さの空間で、今夜は真空管アンプがセットされていてすごく神秘的な感じになっている。

ライブの前後にDJ ya△maさんのプレイがあったのだが、ライブ前はYOSHITAKEさんの音に合った重厚さのある音で、ya△maさんのいつもと違う(というほど聴いてないけど)一面を知った。YOSHITAKEさんは6カ月になる男の子を抱いて「○太朗は今夜が初クラブ」だと言う。愛想のよい子でうれしそうに顔を長いこと見てくれた。

演奏の技術的なことは全然わからないけれど、実験的なことをしているのはよくわかった。音がうなって重なって聴き手を引っ張ってどこまでもいく感じ。波に乗っているような快感に包まれた。いつまでも聴いていられるが、すっと終わった。すぐにya△maさんのDJに切り替わって、今度は軽めの音になった。

今夜は昨日のデモの疲れが残っているのと、明け方までの夜更かしがたたって、体調は悪くはないがだるい。足も疲れているので早めに引き上げた。帰り道は満月に照らされていた。

原発止めよう! 4/16 御堂筋デモに行った

音楽系の知り合いが張り切っているのに誘われて今日は午後から反原発デモに出かけた。その前にプラカードづくり。仏像の写真を入れて「STOP ザ もんじゅ」〈「もんじゅ」は敦賀にある原発(高速増殖炉)。名前を文殊菩薩からとったということで、菩薩をもってきた。ただし、ここで使っているのは文殊菩薩じゃないよ。相方 談〉とした。A4でプリントしたのをB4に拡大コピーして段ボールに貼りつけた。
歩いているときカメラを持った女性に写真を撮らせてほしいと頼まれた。プラカードのデザインがユニークでいいって。今日に限ってだがコンクールをしたら3位だそうだ。

淀屋橋まで地下鉄で。橋の上から公園を眺めると人がいっぱい。すぐに知り合いが2人見つかりいっしょに行くと、子連れを含めた数人が輪になっていたのでそこで立ち止まった。
ちょうど旅行に行くときの荷物くらいのキカイ(わたしは全然わかってません)から音が出ている。これを引いて歩くらしい。だんだん人が集まってくる。数年前に細野ビルで一度会ったMさんが、きっと来てはると思ったと遠方からのご参加。これもツイッターがあるから。

4時前に着いて出発は4時半過ぎだったかな。和やかに出発したが道路に出るとすこし緊張した。御堂筋の車道を歩くのは気持ちよい。わたしたちは後ろのほうで、前から見てきた人によると、ここいらがいちばん賑やかとのこと。洋楽と太鼓、そしてなんだか音の出るものがいろいろ。
淀屋橋→本町→心斎橋はビジネス街だから人が少ない。心斎橋を過ぎるとクルマが多くなり、歩道には人が多くなった。

わたしは膝が悪いので途中で抜けようかと思っていたのだが、音楽と友だちと歩く快感に引っ張られて歩きとおしてしまった。難波から右へ曲がってけっこう行った公園で解散。主催者が解散した公園で数えた結果が3000人とか3500人とかだそうだが、千日前あたりで抜けた人が多いから合計4000人と書いている人もいる。帰り道で7時だったから6時半頃に解散だったかな。

帰り道で大きなビルにスーパーライフが入っているのを発見して出来合い食品を買って帰った。お酒を飲んだら疲れが出てきてぼーっとしていたが、遅くなってからツイッターを見た。なんと先日ツイッターで再会した30年前の知り合いが「お疲れさま」のあとに先日の高円寺のデモに行ったとあってびっくり。お嬢様やったあの子がと感慨にふけったりして・・・夜が更けてきた。

そうそう、もう一人フォロワーさんが参加されていて同じあたりにおられたとのこと。こちらは読書家の若い男性である。ツイッターの縁はすごいわ。

ピーター・トレメイン『死をもちて赦されん』(2)

当時のアイルランドのキリスト教聖職者の間では結婚や出産は“罪”とはされていない。多くの僧院では信仰に生きる修道士と修道女が共に暮らし信仰を広めていた。ローマ派のキリスト教も十二信徒の中の最高位にある聖ペテロでさえ結婚していたことを認めている。にもかかわらず一部の禁欲主義者のみが、あらゆる肉の誘惑を否定しようとしていた。本書に出てくるコルマーン司教もそういう人間である。会議が行われる修道院のヒルダ院長とコルマーンが話しているとき、扉が開いて若い尼僧がすっきりと立っていた。コルマーンはフィデルマの名声を知っており丁寧に挨拶するが、院長はどういうことかと聞く。そこで初めてフィデルマの地位について説明がある。(日本の読者は先に長編3册と短編2冊を読んでいるからよく知っている)院長は当地ではそういう地位は男性のみがついているというと、アングルやサクソンでは女性がかなり不利な立場に置かれていることを知っているという答え。

フィデルマが考え事をしながら歩いていると曲がり角でがっしりした僧にぶつかるが、強い手に支えられる。互いに見つめ合ってその刹那、不可思議な作用がふたりの間に生じる。ローマ式の剃髪をしているからサクソン人であろう。これがフィデルマとエイダルフの最初の出会い。
フィデルマが自分の部屋へ入ると美しい女性が手を差し伸べた。エイハーンは王家に連なる娘だったが夫と死に別れたあと宗門に入った。いまは教養と弁論の才でキルデアの修道院長になっている。エイハーンは愛する人ができたので一修道女にもどってその人と暮らすと決めたと話す。フィデルマはある意味で、羨望を覚えた。

教会会議シノドがはじまる。フィデルマはこれほどの聖職者たちが集まっているのを見たことがなかった。やがてノーサンブリアの王オズウィーが入ってきた。会議中に日蝕がはじまり動揺する人が多い。フィデルマにとって天文学は常識である。光がもどり会議が再開したとき慌ただしく修道女が入ってきた。そのあとでフィデルマは王と院長に呼ばれる。咽喉を切られたエイハーンの死体が発見されたのだ。
王オズウィーは事件を調べることをフィデルマに頼む。そして助手としてエイダルフの名前をあげる。二人が出て行くとコルマーンが「狼と狐を一緒にして野兎を狩り出させるようなものだな」と呟くと、ヒルダ院長は「どちらが狼で、どちらが狐と見ておいでなのか、お伺いしたいものですわ」と返す。
かくて二人の共同捜査がはじまるが、この事件は恐るべき連続殺人の幕開けであった。
(甲斐萬里江訳 創元推理文庫 1200円+税)

SUBの西山さんと竹田さん

15年前から毎週金曜日の夜は西山さんと竹田さんのデュオと決まっている。月に一度は行くつもりにしているが、今回は2カ月抜けてしまい「ひさしぶりやね」と言われてしまった。
そして今夜も息がぴったりとあった名人芸の演奏に心の底から幸せになった。生きていてこうして音楽を聴ける幸せ。
今夜のハイライトはハリウッド映画「ローラ殺人事件」(1944)のテーマ曲「ローラ」。デイヴィッド・ラクシンの名曲。こどものころに家にあった映画雑誌「スクリーン」にあでやかなジーン・ティアニーの写真が出ていた。フィルム・ノワール作品を集めた写真集にもあった気がする。あとで探そう。
女性客のリクエストで「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」。ヘレン・メレルと仕事をしたときの話をひとくさり話された。偏見も入っていそうな生き字引(笑)。

雑談も楽しかった。自分よりも年上の人に会うってほとんどないから、お二人と話すのは気がラクなのかもしれないな。なんか身を任せている感じでしゃべっている(笑)。

地震!

ピーター・トレメイン「死をもちて赦されん」の(2)を書くつもりだったが地震で動揺して書く気になれない。
12時前に片付けがすんでツイッターを読みだしたら新しい書き込みが地震。そのあとはどんどん地震のツイートが続く。テレビをつけていっしょに見ていた。新しい書き込みが積み重なっていく。大阪は揺れなかったけど、揺れたすごく揺れたという書き込みに動揺してしまった。

「女川原発、外部電源三系統のうち二系統を喪失」「六カ所再処理工場も外部電源アウト。非常用ディーゼル発電で冷却」(NHKニュース)。

津波警報は1時前に解除されたが。
えーっ、こんなツイートが・・・「同時刻にメキシコにて マグニチュード 6.5が発生」(Herald Sun)。地球が怒っているのか。

ピーター・トレメイン『死をもちて赦されん』(1)

長編小説(1)「蜘蛛の巣 上下」(2)「幼き子らよ、我がもとへ」(3)「蛇、もっとも禍し 上下」を読んで感想を書いているが、(3)の感想をまだ書いてなかった。もう一度読んで書かなければ・・・。短編集(1)「修道女フィデルマの叡智」は感想を書いているが、(2)「修道女フィデルマの洞察」はまだ買っていない。ということは読み直して書かねばならぬのが1冊手元にあり、これから買って読まねばならぬのが1冊あるということだ。

今回読んだのは最新刊の「死をもちて赦されん」で、〈訳者あとがき〉で説明しているけど、本書はフィデルマシリーズ最初の作品である。7世紀アイルランドという特殊な舞台を描いたこのシリーズを訳するにあたって、日本人読者にわかりやすいと思われるものから訳したそうである。だから「蜘蛛の巣」を読んだとき、フィデルマとエイダルフは旧知の間柄であった。

シリーズ第1作の本書で登場するドーリィー(法廷弁護士)のフィデルマは、男性4人ともう1人の女性との旅の途中で木に吊るされた修道士の遺体を見つける。そこで会った修道士と修道女にこの国の状態を聞く。この国を治めているのはオズウィー王だが、息子は新しい妻を迎えた王に向かって敵意を抱いているようだ。フィデルマはアイルランドでは身内の中でもっとも優れた者が後継者になるが、サクソンでは長男が相続するのが理解できないとため息をつく。
突然目の前に海が現れ水平線が彼方に広がる。旅の終わりだ。ストロンシャル修道院の黒い建物が見える。

サクソン人のエイダルフ修道士は船でやってきた。彼は世襲の代官の地位を継ぐべきところを20歳のときに背を向け、古の神々への信仰を捨ててアイルランドから伝えられた新しい神に帰依した。アイルランドのダロウの学問所で学び、医術と薬学に興味をもった。アイルランドともブリテン島のものとも違うローマのキリスト教が違うのに気がつき、ローマへの巡礼に出かける。その結果、ローマ教会のキリスト教原理に献身しようと決意した。
いまエイダルフがやってきたのは、国内外から聖職者がウィトピアへと集まって来つつあるストロンシャル修道院である。帆船は聳え立つ断崖に次第に近づいていく。

【アイルランド・カトリック教会の信徒とローマ派の聖職者の間では、両者の教義をめぐり、長年にわたって論争が戦わされていた。その軋轢が今、ブリテン島において解決されようとしているのだ。】
(甲斐萬里江訳 創元推理文庫 1200円+税)

ユースト生中継「東日本大震災について」孫さんと後藤さんと田中さん

この2・3日は朝方(おそい朝だが)になるとヘンな夢を見る。寝言を言うし(その声で目が覚める)、手を振り回していたりして目が覚める。だいぶ神経が疲れているようだ。こういう不安なときでも年の功で乗り越えられると思ったら大間違いだな。どこかでぱぁっと豪遊して気晴らししたいと思っても先立つものがなし(笑)。それよりもきっぱりと現実に向かい合ったほうがいい。

そこでネットというのはなんやけど(笑)、今夜9時から12時までのユースト生中継「田原総一郎×孫 正義 対談 〜東日本大震災について〜」はよかった。本番がはじまる前にソフトバンク社員からの被災地の報告などがあったが、その席でソフトバンクからの寄付が10億円、孫さん個人の寄付が100億円と発表があった。ツイッターで孫さんは寄付をしないのかと質問があったが、その答えを今日出されたわけだ。
「田原総一郎×孫 正義 対談」となぜか2人の名前になっているが、元原発設計者の後藤政志氏と田中三彦氏と4人の出演、途中で田原さん退席で孫さんと後藤さんと田中さんの鼎談となり話が深まった。
後藤さんと田中さんのお話は何度かユーストや雑誌で伺っているが、今回も真摯な態度での事故の危険を話されていた。ところが田原さんが話を遮ってアサッテの方向へもっていこうとする。知ったかぶりがまるわかりの発言をする。孫さんの受け方がまともだからよけいにいやらしい。途中で退場されたあとは孫さんが席を移され3人でぐっと親密な感じで話が進んだ。ほんとに真面目な話が続き3時間を長く感じなかった。