ジョー・ライト監督『つぐない』がよかった

イギリスの作家イアン・マキューアンの小説『贖罪』(新潮文庫)の映画化(2007年)だがすごく好み。『高慢と偏見』や『秘密の花園』などのイギリスのお屋敷ものを思い出す舞台装置を頭がよく神経過敏な少女が歩きまわり、タイプライターを使って実体験をもとに想像力を働かせ小説を書いている。
主人公の少女が終盤に年老いた作家としてインタビューに応じるところはヴァネッサ・レッドグレイヴが演じている。貫禄があるのはもちろんだが、そこを悔恨の表情がよぎってでもあくまでも誇り高く素晴らしい演技。「書く」ことについて考えさせられる。でも姉のキーラ・ナイトレイ演じるセシーリアと恋人は妹によって愛を破壊されるが、短い人生ながら深く生きた。生きることと書くことについて考えさせらる作品だ。

最初の場面から屋敷と庭が素晴らしい。検索したらロケ地のお屋敷の写真がでてきた。100室以上の部屋がありそう。
お屋敷つながりでイーヴリン・ウォー『ブライズヘッドふたたび』を思い出した。こちらはテレビドラマがあるようで、若きジェレミー・ アイアンズが見られる。時代は同じく第二次大戦時の話である。