ブリストルの箱

ひと月くらい前に堀江のセレクトショップジョローナで古色蒼然としたネックレスを見つけて買った。古色蒼然とは漠然としたわたしの気分なだけで、そういう色合いの新品かもしれない。黒いTシャツを着てつけてみたらよく似合う。寒くなったら黒いセーターを着てつけよう。長い年月アクセサリーというものに無縁だったので、突然の変化が我ながらおかしい。

その商品テーブルには写真や絵葉書も置いてあって、ブリストルで撮った写真だという。知らない地名だけど、なんとなくロマンチックな香りがする。サウス・ウェスト・イングランドの都市だそうだ。20キロ南東にはバースがある。
ブエリストルに住んでいた人が持ってきた品物というだけで、なんとなくブリストルが身近になった。わたしが買ったアクセサリー以外の古そうなのはブリストルの古物商にあったものだろうかと想像がふくらむ。ただその人の手作りなのかもしれないが。

写真が入っていた箱が気に入った。寸法は約18×12×7cm、ボール紙にしぶい色合いの紙が貼ってあり、手書きでなにやらいっぱい文字が書いてある。いつか辞書を両手に読む気持ちになるかもしれない。

わたしがその箱を欲しがったのでジョローナさんが持ち主に話してくれて、今日2000円で譲り受けた。わたしの持っている数少ないアクセサリーを収めて大切に持っているつもりだ。