毎日柿を食べている

果物の中で一番好きなのは「柿」だと毎年書いてきたが、今年も元気で「和歌山の柿はうまいなあ」といえるのがありがたい。10年くらい毎年、和歌山に実家のある友人が九度山の柿の大箱を送ってくれていた。その方がVFCを辞められ柿も来なくなった。困ったなと思う間もなく近所に無農薬野菜を売る店が3店もでき、柿も梨もどっさり手に入るようになった。

いまは平核無柿(ひらたねなしかき)が出始めたところ、小さいし甘みは少ないが、「柿の季節がきたね」と毎日食べている。この後に出てくる富有柿が楽しみ。大きな柿をむいて美しい色の果実を口にする快楽が今年もあると思うとうれしい。今年も元気で生きている。

関東の友だちが「お取り寄せ」で一緒に買うからと、うちのぶんも御所柿を注文してあるとのこと。ありがたいなあ。1901年に正岡子規が御所柿を食べていると寺の鐘が鳴ったとか。俳句は法隆寺だが実際は東大寺だったとか。

バリー・ジェンキンス脚本・監督『ムーンライト』

2017年2月アカデミー賞作品賞と脚色賞を受賞。製作総指揮にブラッド・ピットの名前がある。
ゲイの少年の孤独と愛が描かれた作品で最後まで静かに見ていた。
どうしようもない麻薬中毒の母親に育てられた少年シャロンは級友のケヴィンと密やかに愛を交わす。売人をしている男がシャロンに好意を持ち海で泳ぐことや人生についてあれこれを教える。重苦しい学校生活といじめに全然卑屈にならないシャロン。暴力には暴力で返すところも自然にやっている。お金をむしり取っていく母親の存在にもめげず大人になっていく。
大人になり売人になったシャロンにケヴィンから電話がかかる。小さな食堂で働くケヴィンは離婚して息子と暮らしている。食堂を訪れたシャロンは麻薬の売人で、金歯をはめ、高級車に乗っている。でも話す二人は自然体。男が自分の体に触れたのはあの一回だけとシャロンはケヴィンに告白する。

暴力場面は多々あるのに静謐な作品。『キャロル』を思い出した。純愛映画が好きだ。見てよかった。