紅茶が迷子になって

お茶が好きというより必需品というか主食についているものというか、和食のときは煎茶か番茶、洋食のときは紅茶を飲む。今日の昼はサンドイッチとサラダと紅茶。晩ご飯は白ワインとタコのカルパッチョとナスのスリランカカレー、そして紅茶。

いつも決まった店で袋入りのダージリンを買っていて、繊細な缶入り英国紅茶と比べるとごつい葉っぱだがうちのご飯に合っていてうまい。ずっとそこのダージリンに慣れているので、ダージリンでいま起こっている紛争で紅茶の木が焼け焦げになる被害を受けているというニュースを読むと心が痛む。被害を受けた紅茶の木はすぐには立ち直れない。今年だけでなくずっと採れなくなるそうだ。こちらはお茶を変えたらすむことだが、ダージリン紅茶を作ってきた人たちはどうなっていくのだろう。

夏の盛りにダージリンを一袋買ってきたのを、この暑さに常温ではいかんと冷蔵庫に保管した。それをころっと忘れていてさっき探し回って見つからず。ついに買ってなかったのしらと思ったとき、相方が冷蔵庫に入れたことを思い出した。その上にラスサンプーチョンが一袋出てきた。賞味期限切れてなくてよかった。
うわっ懐かしい匂いとさっそく淹れて飲んだ。ビスケットでもあればよいのにあるのはナッツだけ。今日はまあナッツで辛抱。

ヴェルナー・ヘルツォーク監督『アラビアの女王 愛と宿命の日々』

アラビアの女王ってどういうこと?とまずタイトルで疑問が浮かんだ。解説に「20世紀初頭、イラクとヨルダン両国の国境線を引いてイラク建国の立役者となり、“砂漠の女王”と呼ばれたイギリス人女性ガートルード・ベルの生涯を描いた伝記ドラマ映画。」とあったのにますます引き込まれて、これは見なくてはと片付けもそこそこにiMacの前に座った。

二コール・キッドマンは美人すぎて大好きな女優とは言いにくい。『コールド・マウンテン』での美しさときたらいいようがなく美しくて、いいけど美人すぎると引いてしまった。やっぱりアカデミー賞をとった『めぐりあう時間たち』がよかったけど、あの作品ではジュリアン・ムーアのほうがずば抜けていたと思う。

第一次大戦についてわたしが思い出すのは『チボー家の人々』の第1巻「1914年夏」である。それからヴァージニア・ウルフの作品であり、ミステリにとんで、ドロシー・L・ セイヤーズのピーター・ウィムジイ卿シリーズ」である。あの時代の話なんだと納得。
もっとすごいというか、わかった!と膝を叩いたのは『アラビアのロレンス』のロレンスが現れて二コール・キッドマン演じるガートルード・ベルと親しく会話するところ。
頭の中にぐじゃぐじゃとある小説からの情報がほどけてあの時代が浮かび上がり、二コール・キッドマンの美しくも威厳のある姿となった。実際にすごい人だったと検索を続けてわかった。