四ツ橋電気科学館のプラネタリウム(わたしの戦争体験記 11)

電気科学館の話を書いたのにプラネタリウムのことを書き忘れていた。電気科学館とはなにかと質問があったので書き足します。

わたしらが遊び場に駆け上った階段はプラネタリウムの機械を置いたところから天井の上まであったのだ。プラネタリウムは階段4つか5つ分の高さの天井に映された。ホールに座って上を見ると円形の天井に星が輝く。
一度だけ学校の授業としてそのホールに座った。円形の部屋で出入り口にはカーテンが引いてあった。そのカーテンが閉まって暗くなり音楽がはじまると、わたしらが遊んでいる西区の空が映し出されてナレーションが始まった。「日が暮れていきます。西の方をご覧ください。いつも見える◯本煙突です」
何本かの煙突は毎日家に帰るときに見ている海のほうの工場のもの。そして太陽が沈み、月が上り星が輝き出す。いまも覚えている感激のひととき。その上で毎日遊んでいるんだと、また感激(笑)。

大阪の学校に通っていてまだ戦時色の少ないときだったから2年生か3年生だろう。先生はプラネタリウムは外国で買ってきたたいへん高価なもので、それを見られるあんたらは幸せ者だといった。それから何十年か経ってからプラネタリウムを見に行ったことがある。しょっちゅうやっていたのではないようで指定の日時に行ったのでえらく混んでいた。内容はまああんなものかなという感じだったけど、屋上の遊びや西区の日の入りどきを思い出して感慨ひとしおだった。