焚付けで社会勉強(わたしの戦争体験記 39)

かまどの焚付けと便所紙に『主婦の友』など婦人雑誌の古いのを破って使っていた。叔母さんがいらなくなった古雑誌を持ってくると、わたしが受け取って中身を読む。なんだかかんだか書いてある戦時の女性の過ごし方や生き方やモンペのファッションなど、ふーむといいながら読むのであった。楠公炊きのことを前に書いたけど、婦人雑誌にもこの手の記事がいっぱいあった。お尻にぶら下がった回虫をつかんだのも古雑誌か古新聞だった。便所に入る前に読み、入ってからも読み、未読分は持って出て続きを読む。

連載小説はいまでも好きだが、当時はほんまに好きやったな。貧しい家の息子が勉強できるので援助者が現れ大学に進む。お互いに好き同士の村娘がいるのだが娘は相手の将来を思って身を引く。おお、このあとどうなるの? この物語はハッピーエンドだったような気がするが、どうなったんだろう。
「お世話になる人に挨拶に行くときは羊羹を持って行きなさい。あの方は「夜の梅」が好きだから」と教える先輩がいて、わたしはなるほど大切な挨拶には「夜の梅」か〜と覚えた。いまでも大切なときには虎屋の羊羹「夜の梅」をもっていくことにしている笑。