阿弥陀池和光寺の花祭り(わたしの戦争体験記 53)

今日4月8日はお釈迦様の誕生日で花祭りの日だと気がついた。
西六国民学校の3年か4年のときに下の姉に近所の阿弥陀池和光寺へ連れていってもらったことがある。我が家は父が仕事に行き、母は家で内職が忙しかったから、小さな子の世話はきょうだいがすることになっていた。路地から長堀通へ出て白髪橋を渡って阿弥陀池筋を南へ行くと左側に和光寺があった。いまもある。当時はその近くに姉が通っていた精華女学校があった。校庭には楠がのびのびと植わっていたのを覚えている。

寺に入ると池があって人がいっぱい。なにかなと覗き込むと亀がたくさんおり、亀を見ながら子供たちが指差したり叫んだりしながら遊んでいる。
池の水がお日さんに当たってぴかぴか光っている。でっかい亀が甲羅を干していたり、うるさい子供たちの声から逃れるためか首をひっこめてごろんと寝てたり。春の日差しが暖かく気持ちのよい午後だった。

亀に飽きたこどもたちには甘茶が振舞われていた。順番を待って甘茶をいただき、お釈迦様像に手を合わせた。
出店があって飴を売っていたのを姉が一袋買ってくれたので、持って帰って母にお土産として渡した。

最近、折口信夫先生がこのお寺、阿弥陀池和光寺に来られたときのことを書いておられるのを読んで、あそこへきはったんやと感慨ひとしおだった。