あちこちで桜満開という声が聞こえる。スーパーへ買い物に行ってもまっすぐ帰ってくるので、近所の桜は1本も見ていない。あとで帰りに公園にまわったらよかったと思う。
晩ご飯を食べて姉との定期電話をすませて食器を洗った。もう10時だがいまから夜桜を見に行こう。一人で出ようと思ったら、食後の散歩から帰ってきた相方が俺も行くとついてきた。
行き先はすぐ近くの土佐稲荷神社の境内とその横の公園である。神社境内は明かりが消えている。ほの暗くてよく見えないが桜満開のようだ。もうちょっと早く来ればよかったといいながら公園のほうへ行った。屋台がたくさん出ていたのがいま撤去作業中。そうか今日で終わりか。大型車がたくさん止まっている。これに乗って次の場所に行くのかな。
花見の人たちが少しだけ残っている。片付けすませて立ってしゃべっているグループ、肩を寄せ合って座っているカップル、うちらと同じように歩き回って所在なげな人たち、祭りのあとの寂しさですね。
戦後71年、敗戦後に植えたここの桜も大木になっていまや桜の名所である。阪急沿線に住んでいたころ、両親がここを訪ねたころがあって、細い桜がひょろひょろ植えてあったと言ってた。それがいまわたしが見ているこの古木だったんだなと感慨にふけった。両親はとうにいないが、戦前戦中にこの近くに住んでいた。