インガ・ムーア作・絵『ネコがすきな船長のおはなし』

長いこと絵本を買ってない。本屋に行っても児童書のところに行かないし。
まあ我が家にはバーバラ・クーニーの絵本がたくさんあるし、『長靴をはいた猫』は3種類あるし、『白雪姫』もいろいろな画家のがある。ネコ絵本もいっぱい。在庫を引っ張り出したら半日は眺めているだろうな。といいつつご無沙汰したまま。

昨日久しぶりに図書館で借りてきた絵本は2013年発行の『ネコがすきな船長のおはなし』、なかなか楽しい。わたしが持ってるのは2010年よりずっと前に発行された本ばかりだから、新しく出た本はどこか違うなと思う。まあ久しぶりに絵本を見たからかもしれないけど。それもネコものだし。

ネコが大好きで家の中がネコだらけの船長さんがすべてのネコを船に乗せて出航する。船員よりネコのほうが多いくらいで、船長さんは「ネコ船長」とよばれている。ネコだらけの船室でご機嫌さんの船長さん。

嵐がきて船は流されどこにいくんだろうと心配していると島が見えた。
たどりついた島で小さな女王さまに歓待される船長さんと船員たちとネコたち。この島にはネコがいない。ご馳走が出るとネズミがいっぱい出てきて食いあらす。ネコが大喜びで退治したから、女王さまは喜んで財宝をお土産にくれる。
お話はまだいろいろあり。躍動感あふれる絵がすてき。
再び渡ったその小さな島で船長さんはネコたちとともに楽しく暮らしたとさ。
(多賀京子訳 徳間書店 1800円+税)

よしながふみ『きのう何食べた?』12巻(2016年秋最新単行本)

このシリーズを最初から東京の友だちに貸してもらって読んでいる。はじめは何冊かどばっと借りて、その後は出るたびに送ってもらっている。ほとんど年に1回だから忘れたころに送ってくるのがおもしろい。
「おー今年も出たか」と言いながらページをめくる。返却するまで二人が読んでもう一度読んでからお返ししている。本書の主人公たちと同じようにのんびりの付き合いが長く続いている。

ゲイカップルの日々を食事をとおして淡々と描いた『モーニング』連載の漫画で、2007年から続いていてこの先も続く。物語も絵も緻密でよくできていると感心しながら毎度読んでいる。人物たちは実際の年月に合わせて年を取っていくのにも共感する。
弁護士の筧史朗(シロさん)と美容師の矢吹賢二(ケンジ)は東京の2LDKのアパートで暮しているゲイのカップルである。毎日シロさんは仕事の帰りに食材を買い調理する。できあがったころにケンジが帰ってきて楽しい食事になる。食材の紹介と作り方を懇切丁寧に描いているのが本書の特徴。

今回最初は両親のところへ久しぶりに行ったシロさんがすき焼きの牛肉の残りをもらってきたので、具をたっぷりですき焼き。うまいうまいと食べ終わってから、ケンジがいう。「でもシロさん、まだお腹に余裕あるでしょ? この煮汁を半分くらいにしてもう一度火にかけてね」「新たに卵2個を溶いて」「すき焼きの煮汁を卵とじにして、軽くよそったごはんの上にのっけて〆の卵どんぶりね」
シロさん「うわケンジこれうまいよ!!」

その他、秋だからサツマイモご飯、リンゴのマフィンなど、いろんな食べ物の作り方が語られ、二人のそばに寄ってきた人たちの料理のうんちくも楽しく、これ作ってみようかなと思わせる楽しい漫画だ。
(講談社 581円+税)

佐野洋子 文 北村裕花 絵『ヨーコさんの “言葉” それが何ぼのことだ』

去年のヴィク・ファン・クラブ(VFC)の会報でKさんに紹介されたテレビ番組と本が会員の中で話題になった。我が家にはテレビがないのでそのままスルーしていたが、会員のYさんが今日宅急便で本のほうを送ってくださった。VFCはとっても友愛に満ちた会だ(自慢)。

佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』はすっごく有名な猫の本である。わたしは買ったけどすぐに姪に持って行かれたままだ。谷川俊太郎さんと結婚して話題になったことがあったが6年で離婚された。2010年に72歳で乳がんのため亡くなった。
NHKワンセグ2・Eテレにおいて『ヨーコさんの言葉』が2014年度制作・放送された。いまは日曜日の朝8時55分〜 水曜日の午後10時45分〜 放送されている。

さっそく開くと文章が少なくて楽しげな絵なのですぐに読み終えた。絵が楽しいのでこんなに慌てて読んだらあかんともう一度読んだ。
猫と暮らす60代の画家ヨーコさんの幼年時代の思い出から、若いときの友だち付き合いのいろいろ、日常生活の風景。そして愛猫ががんで死ぬのだが毅然とした死に方についての考察がすばらしい。
絵が素敵。もうちょっと佐野さんを美人に描いてほしかったなあ、と勝手な想いがわいたが、全体のトーンからいくとこれでいいのね。
(講談社 1300円+税)

近藤ようこ(原作 折口信夫)「死者の書 上」

先月だったか、寝るときにiPad miniで青空文庫の「死者の書」を読んでいると書いた。それを読んだ親切な友人が「死者の書」は難しかったのでマンガで読んだと送ってくれた本が、近藤ようこさんのこの本である。
折口信夫がマンガになっているのにびっくり!! わたしは最近原作を読んだからええわと言っていたのだが、マンガや本が近くにあればいずれ手に取る(笑)。

近藤ようこさんがどんな作品を書いているかは知らないが、「あとがき」に【四十年前に初めて読んだ『死者の書』を、やっと漫画にすることができました。】と書いておられる。そして【折口信夫を全く知らない人にための「死者の書・鑑賞の手引き」だから読者には最終的に原作を読んでいただきたいのです。】と続く。
上巻は第八話まであって、今年の1月から8月まで「月刊コミックビーム」に連載された。すぐに単行本になったのがここにあるわけだ。そしたら下巻が出るのは来年の後半か〜
まあ、原作を読んでいるのだからわたしはいいけど(笑)。

若いときの数年間わたしは奈良のお寺を巡ってけっこう歩いた。当麻寺も何度か行っている。そのときは「死者の書」の存在を知らなかった。ただ奈良中心部のお寺と違う鄙びた感じが好きだった。
それから何年か経って折口信夫と「死者の書」を知った。
近藤さんは40年前に原作を読まれたそうだが、わたしが読んだのもそのころだ。
ある春の日、出会って間もない相方と竹内峠を歩いて当麻寺まで行った。お庭を見たりお寺の本堂に上がらせてもらって午後から暗くなるまでいた。夕暮れ時には、した、した、した、と歩く音がしないかと土に耳をあてたりした。

そして、二上山! 泉北に住んでいた3年間は毎日二上山を眺めて暮らしていた。
いま、この本の裏表紙の二上山を眺めている。素晴らしい。
(KADOKAWA 740円+税)

死者の書(上) (ビームコミックス)

村崎修三「乙女のふろく 明治・大正・昭和の少女雑誌」

2カ月とちょっと前、7月10日の日記に〈ミクシィ・コミュニティ「昔 素敵な少女雑誌があった」を懐かしむ〉というのを書いた。そのミクシィ・コミュを主催していたおられたJさんから数年ぶりに連絡があり、教えてもらったのが熊本の菊陽町図書館とそこにおられる村崎修三さんのことだった。そして、〈吉本由美さんによる『吉本由美のこちら熊本!』というサイトの「小さな町の小さな図書館は少女雑誌の宝島」(2013.05.04)という記事〉も教えてもらった。

Jさんからいただいた次の連絡は村崎修三さんの本「乙女のふろく 明治・大正・昭和の少女雑誌」が青幻社から出版されるというものだった。
出版されたのを確認して早速アマゾンに注文。厚い文庫本には絵がぎっしり。美しい、楽しい、おもしろい。ページをめくり出したら離せない。

中原淳一の絵がついた雑誌ふろくは、うちには2人の姉が買った雑誌がたくさんあったので淳一先生の絵はおおかた知っている。松本かつぢ、竹久夢二はかなり知っている。その他、名前だけは知っている人、はじめてこの本で知った人もいて楽しい。

「菊陽町図書館 付録コレクション一覧」もついていて、深く勉強したい人にはありがたいことだと思う。熊本の菊陽町図書館へ行けばいいのだ。わたしがもし行ったら笑ったり叫んだりうるさいだけだけど(笑)。
(青幻社 1500円+税)

次女物語 山岸凉子「テレプシコーラ / 舞姫」

山岸凉子「テレプシコーラ / 舞姫」(第1部10冊、第2部5冊 メディアファクトリー)を夢中で読んだが、速読しすぎたのでもう一度読んでいる。でも悲しいところは抜いてという勝手な読み方してますの。

この本は次女物語でもあると気がついた。主人公は素晴らしいバレリーナに成長するのを期待される長女千花(ちか)ではなく、踊りは姉に劣るが可愛い元気な次女の六花(ゆき)で、第2部は六花の物語になる。彼女が自分の独創力で手に入れた位置を大人たちはおどろいて見ている。日本のバレリーナはクラシックに強くコンテンポラリーに弱いとはわたしも知っていたが、六花は飛び超えたところに自分の努力で居場所を得る。バレエ教室を開いている母にはわからず、直接教えている教師にもわからなかった六花の才能が開く。わかってくれた振り付けの先生の存在があるけど・・・。六花の才能と努力をわかってくれる先生がいてよかった。

最後のところで留学した六花が写真をたくさん送った相手が金子先生だったのでほっこり。怪我をした長女につききりになった母親に代わって可愛がってくれたもんね。
笑わない美女ローラ・チャンは空美ちゃんの現在なのだろうか。謎をはらんで終わってしまった。

山岸凉子「テレプシコーラ / 舞姫」(第1部10冊、第2部5冊)

わたしの好みを知っている東京の友だちが貸してあげると送ってくれた美しい絵に彩られた少女マンガ。読み出したら離せませんよとメモがついていた。第1部が10冊と第2部が5冊あるのをまたたく間に読んでしまった。ストーリーを追ってものすごい速読だったのでもう一度読むつもり。
少女マンガというより絵物語と言ったほうが似合うと思うが、少女マンガという言い方があるから従わなければならないのが不満(笑)。

東京に住む篠原六花(ゆき)は姉の千花とともに母が経営するバレエ教室で幼い時からバレエを踊ってきた。千花のほうは素直に成長しているが六花のほうはばらつきがあるし脚に欠陥もある。
バレエ教師の母と真面目な公務員の父と娘二人の家族はバレエ中心にして成り立っている。私立中学在学中の千花とこれから中学受験の六花。六花はようやく補欠で入学できて友だちもできる。
学校生活や友だちとの関係など少女たちの生活を描きつつ、中心にあるのはバレエである。

第2部は高校1年になった六花がバレエダンサーの登竜門、ローザンヌバレエコンクールに出場するために出発する。六花の挑戦はいかに。不運な風邪で最後に棄権したのでどうなるかと思って読んでいたら驚きの結末が待っていた。
最後まで目を離せないストーリー展開がすごい。
(メディアファクトリー 全15冊、ほとんどが590円)

バレエ三昧の日曜日 山岸凉子の「テレプシコーラ」と映画「赤い靴」

雨降りの日曜日、お昼まで寝ていたのは昨夜遅くまで「テレプシコーラ / 舞姫」を読んでいたから。東京のSさんがどばっとクロネコ便で送ってくれたマンガは全部で20冊。その上に誕生日プレゼントにわたしの大好物、竹皮包みの「夜の梅」が入っていた (^Q^)/

昨日の夜中まで読んでいてまだ残っているほうが多いが、今日も起きてから3冊読んだ。バレエが好きで山岸凉子の絵物語が好きなので無理を承知。(なにが無理なんや-笑)
うちは相方も少女マンガが好きで、どっちが先に読むか取り合いになるくらいだけど、今回はこっちが先に読んでいる。

先日は誕生日に大好きな映画ということで「マンハッタン花物語」を見たが、今日はバレエの日ということにして「赤い靴」(1948 マイケル・パウエル、 エメリック・プレスバーガー監督)を見た。わたしは中之島公会堂へ50年代に見に行って以来、機会があれば映画館やどこかで公開されると聞くと行っている。テレビでも見たしレーザーディスクが出たときすぐに買っていまはDVDで、合計30回くらいは見ている。

まずモイラ・シアラーの踊りが素敵。映画公開当時は彼女は新人だからヨーロッパのバレエ界ではたいしたことはないと言われてた。でも「赤い靴」を踊るのにふさわしいダンサーだった。彼女が赤いバレエシューズを日本のバレリーナ谷桃子に贈ったというニュースを読んだことがある。

それとバレエ団の団長レルモントフがディアギレフをモデルとしていると知ったこと。そして靴屋を演じているレオニード・マシーン、牧師役のロバート・ヘルプマンがディアギレフのバレエ団で活躍した人と知って感激した。

山岸凉子「牧神の午後」と映画「赤い靴」

久しぶりに少女マンガ、山岸凉子「牧神の午後」(1989)を貸してもらって読んだ。山岸凉子のマンガはずっと昔に「日出処の天子」(1980−84)を延々と買って読んだことがあるけど、それ以後は読んでいなかった。

20世紀のはじめのディアギレフ率いるロシアバレエ団のことは、いろんなもので読んでいてよく知っているが、こうして絵物語になるとまた格別の味わいだ。天才ダンサー、ニジンスキーの輝きが美しく描かれていて久しぶりに気持ちが高ぶった。

ディアギレフはニジンスキーの代わりの踊り手ミャーシン(96ページ)を見出した。映画「赤い靴」に出ているレオニード・マシーンの若き日である。
わたしは「赤い靴」をかなり昔から機会あるごとに見ていて、最近はDVDで何度も見ている。最初はバレエへの憧れで見ていたが、誰かの本でバレエ団の団長がディアギレフをモデルにしていると知った。そしたら靴屋を踊っているマシーンのこともわかった。牧師をやっているロバート・ヘルプマンもディアギレフのところにいた人と知った。

そしていま検索していて「赤い靴」の新しいDVDが出ていることを知った。
【映画監督のマーティン・スコセッシがオリジナル・ネガ修復作業に着手し、2年の歳月をかけて完成された<デジタルリマスター・エディション>が、2009年カンヌ国際映画祭で世界初公開された。】
4,059円か〜 そのうち買おう。

ミクシィ・コミュニティ「昔 素敵な少女雑誌があった」を懐かしむ

昔の少女雑誌「白鳥」のことを「幻の雑誌『白鳥』と内田静枝編『長沢節』というタイトルで2007年1月に書いている。
そのころJさんが主催していたミクシィのコミュニティ「昔 素敵な少女雑誌があった」にずいぶん書き込んだ覚えがあるが、いつの間にかコミュ自体が消えてしまった。60年くらい前の少女雑誌の写真をたくさん見せてくださってすごくありがたくうれしかったのだが。こんなことなら気に入った写真だけでも保存しておけばよかったと思ったが後の祭り。でもこどものときから少女時代にかけて心の友だった少女雑誌の写真を再び見られた喜びの気持ちは残っていてそれだけでも充分と思っている。

それから7〜8年経って、最近、Jさんがミクシィに再度出てこられたのでちょっと言葉を交わした。そしたらこのサイトを教えてくださった。
吉本由美さんによる『吉本由美のこちら熊本!』というサイトの<a href=”http://kumamonne.blog.fc2.com/blog-entry-66.html”_blank”>「小さな町の小さな図書館は少女雑誌の宝島」(2013.05.04)</a>という記事。いざとなったら熊本の菊陽町図書館に行ったらいいのである。多分行かないだろうが、そこに存在していると思うだけでも満足。
Jさん、教えてくださってありがとうございます。

そういえば、こどものとき読んだ本を探して、千里の国際児童図書館にあるのがわかり、コピーしてもらったことがあった。
願えば叶うものだと思ったものだ。願いにはかなりの努力が必要だが・・・。今回はJさんが当時わたしが喜んだことを覚えてくださったからね。そしてミクシィをやめずにいたから。