スティーブン・ソダーバーグ監督『オーシャンズ11』が楽しかった

世の中は『オーシャンズ8』で賑わっているが、わたしはもともとの『オーシャンズ』のシリースを見たことがなかった。『11』は2001年の作品だから随分と前、どうりで昔見たことのある俳優が出てるし、スティーブン・ソダーバーグは『エリン・ブロコビッチ』の監督だったし。
『ロング・グッドバイ』でネコ好きな探偵マーロウをやったエリオット・グールド、『ロルカ、暗殺の丘』で詩人ロルカを美しく情熱的に演じたアンディ・ガルシアも加わってる。うわっ、ありがたや〜
あとで知ったので特定できなかったけど、ボクシングの観客でアンジー・ディキンソンが出てるのを見極めたくもう一度見たい。

『オーシャンズ11』はプロの犯罪者の集まりで、彼らのそれぞれが持つ技を生かして動き、大金を手にするまでの物語である。リーダーのジョージ・クルーニーはいまの時代を生き抜くプロの犯罪者なところがよく似合っていて、よくやっている。その他の俳優たちも自分のやることをよく心得ている人たちで犯罪というよりプロ仕事集団という感じが快い。
続けてあと何作か見る気である。

行定勲監督『リバーズ・エッジ』

岡崎京子の漫画を読んだのは1990年代のことで、すごく気に入ったというより、すごく気になった作品だった。行定勲監督により今年封切りの映画になったわけだが、岡崎京子原作の映画化というにはセックスシーンは多いけれども幼い感じがした。

女子高生たちが二階堂ふみを入れてももひとつぱっとしなかった。ぱっとしていたらもう少し楽しかったかも。ゲイの少年を演じた吉沢亮がよかったです。
それとリバースエッジの風景がよかった。

マーティン・マクドナー監督・脚本、フランシス・マクドーマンド主演『スリー・ビルボード』

見たかった映画をようやく見た。主演のフランシス・マクドーマンドはずいぶん前に『ファーゴ』(1996年コーエン兄弟制作)を見たっきり、というか他の作品を覚えていなくて、『ファーゴ』の印象ばかり強く覚えている。妊娠中の警察署長役でアカデミー主演女優賞を得た。最後のシーンで夫の絵が3セント切手の絵柄に採用されたと喜ぶシーンがよかった。それから21年経ってのアカデミー賞だからすごい。

アメリカ、ミズーリ州の片田舎の町で、娘をレイプされ殺された母親のミルドレッドは通りかかった町外れの道にそってでっかい広告看板を設置しようと考えた。広告会社にお金を払って建てさせたのは、「レイプされて、殺された」と娘の死を知らせ、「逮捕はまだ?」と問い、「どうして? ウィロビー署長」と警察署長にたたみかける3枚の文字広告看板。
ウィロビー署長は人格者で町の人たちから信頼されているが、末期がんで死を前にしている。署長の忠実な部下ディクソンは差別主義者でどうしようもないやつ。
ミルドレッドの生活ぶりが描かれる。だれにも妥協せず、自分の思いを通したいだけで突っ走る。

看板が焼かれ、署長は拳銃自殺し、広告会社のレッドは窓から投げられて大怪我し、警察署は火炎瓶を投げ込まれ、どんどん広がっていく被害のなかでミルドレッドは生きていく。

麗しの瞳 ミシェル・モルガン主演、イヴ・アレグレ監督『狂熱の孤独』

姉の影響でフランス映画を10代のころに見まくった。名画上映というのがけっこうあって、小さな映画館で見たし、新作も無理して見に行った。姉の服の手直しなんかを頼まれてお金を稼いだ覚えがある。阪急電車に乗るのを節約して十三駅まで歩いて行ったことも何度かある。中学のころから、いまもあんまり変わらないなあ笑。

フランス映画が大好きで、その中でもミシェル・モルガンが大好きだった。彼女の映画ならなんでもよかった。インテリ向けのから大衆向けのものまでいろいろな作品に出ていた。頬骨が高くて青白い肌で、抜きん出た美貌。一度見て良いと思うと2番館から十三の映画館、ぐっと郊外の西宮の映画館まで追いかけていた。

『狂熱の孤独』は、ジャン・ポール・サルトルとイヴ・アレグレの原作だそうで、相手役がジェラール・フィリップだった。狭いホテルの一室でブラウスを脱いでスリップ1枚になったモルガンが肩や胸の汗を拭うシーンがリアリティがあって、見ているわたしも汗ばんだ。

モルガンの映画は『思い出の瞳』『ガラスの城』『霧の波止場』を何度も追いかけて見た。いまタイトルを調べていたら、その映画のシーンが蘇ってきた。高い頬骨と澄んだ瞳、深い声、笑ったときの頬と笑い声が神秘的だったなあ。

『狂熱の孤独』はあまり評判がよくなかったし、モルガンファンとしてももうひとつ熱狂できなかったけど、いまもいろんなシーンが忘れられない映画だ。

クリント・イーストウッド監督『15時17分、パリ行き』を見て

クリント・イーストウッドを最初に見たのはテレビドラマの『ローハイド』(1959−1965)で、いまでも楽しかったシーンをよく覚えている。口真似もできる笑。その後はいろいろ見た後に『ダーティハリー』を1から3まで、レンタルビデオとテレビで何度も見た。『アイガー・サンクション』(1975)もよかったが、格段に好きなのは『ガントレット』(1977)だ。当時はソンドラ・ロックの大ファンになった。それよりも好きなのは『タイトロープ(1984)で、この2本の女性の描き方に好感をもった。イーストウッドの映画でなにがいいかと聞かれるとこの2本をあげる。
ちょっと普通にいい映画とか好きな映画というのと違った意味で好きなのは『ペイルライダー』で、これが好きというと「どこがええねん」と反対に聞かれるけど、白馬で現れるイーストウッド素敵。
「バード』は尊敬する。『セロニアス・モンク ストレート・ノー・チェイサー』は親しみを持って好きという。
『マディソン郡の橋』は恋愛映画好きとして素直に好き。『スペース カウボーイ』も。今夜見た『15時17分、パリ行き』は、「うーむ、うまくつくってるなあ」と思いました。

アニー・デュプレーの本『黒いヴェール』

ツイッターでアニー・デュプレーという名前をちらりと目にしたとき、あれっと思った。この人のこと知ってるはず。フランスの女優らしいからきっとそうだと勝手に決めた。検索したらジャン・リュック・ゴダール監督の『彼女について私が知っている二、三の事柄』 (1966)、アラン・レネ監督の『薔薇のスタビスキー』 (1973)に出ている。どっちの監督の作品もよく見ているほうだが、この2本は見ていない。『女性たち』 (1969)なんかブリジッド・バルドーとモーリス・ロネだが日本未公開である。全然思い違いしていたと気がついた。

子供の頃に見たフランス映画を思い出してみようとしたが思い出せない。10歳年上の二番目の姉が映画好きでよく連れて行ってくれた。ボーイフレンドと行くための親への目くらましに使われたみたいだが、わたしひとりで映画館に入るには3年くらいの間があったから、ありがたかった。映画を見ること、映画雑誌を見ることを教えてもらって、その上に映画を見たらストーリーをしゃべることも教えてもらった。映画と同時に歌舞伎と文楽と新派と新劇を見におしゃれして出かけることも教わった。ただし姉がおしゃれするだけでわたしは相変わらずみじめったらしかったが。あんたも大人になったらわたしみたいにできるといわれました(笑)。ボーイフレンドには近所の子といってました(笑)。

さて、アニー・デュプレーは思っていた人と全然違った。アニーは間違いないと思うんだけど。『黒いヴェール』は美しい写真の入った本でずっしり重い。最近は本を捨てるのに専念しているから、地震対策にも重い本はいらない。でも重くても美しい写真がたくさん入っているから本棚に並べよう。
(北代美和子訳 リュシアン・ルグラ写真 文藝春秋 1996刊)

レベッカ・ミラー監督、製作、脚本『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』

レベッカ・ミラー監督、製作、脚本『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』

イーサン・ホークの出ている映画は無条件で見たくなる。共演が『フランシス・ハ』のグレタ・ガーウィグとなれば、そしてジュリアン・ムーアだもん、おしゃれな映画と決まっている。じっさいに見たらおしゃれでインテリっぽくて笑えるところもあり、共感するところもありでまあまあ楽しかった。コロンビア大学教授でイーサン・ホークの奥さんの役がジュリアン・ムーア。ちょっと儚い感じがしてよかった。
滑り出しはおもしろくなりそうだったが、もひとつだったなあ。ただイーサン・ホークの気が弱そうだけどけっこう厚かましくて、世の中やっていけるのかしらという感じなのにやっていってるところが、そんなもんかなあなんて感じでした。

イーサン・ホークが出てる映画ならなんでも見たい。

グザヴィエ・ドラン監督・脚本・製作・主演『マイ・マザー』

ツイッターなどで名前ばかり目にしてまだ作品を見たことがなかった監督で俳優のグザヴィエ・ドランの第1作『マイ・マザー』をようやく見た。2009年に製作されたカナダの映画。
わたしの好みの作品ですごくよかったとしかいいようがない。
ユベール少年の美しさに惹かれた。友人もいい。母親はその世代の女性のいやらしさと人の良さがあってそんなもんよねという感じ。若くしてうまい作家である。
女性の先生がよかった。生徒を泊めるのは禁じられているといいながら泊めてくれて、ユベールに才能があるから彼が書いた詩を新人賞に応募したという。
お別れに詩集をくれて◯ページの詩を読むようにいう。だれのなんという詩集だろう。

今日はイアン・カーティスの命日、アントン・コービン監督『コントロール』

ポストパンクのバンド「ジョイ・ディヴィジョン」のボーカル、イアン・カーティスが23歳で自殺してから38年経った。今夜は映画『コントロール』を見て、いまも大好きなイアン・カーティスを偲ぶことにした。
当時はお金がないのに輸入レコード店で高価な最新輸入レコードを吟味して買うのが楽しみだった。レコードジャケットのデザインが素敵で買ったのがこの「アンノウン・プレジャーズ」だった。レコードを繰り返しかけていっしょに歌っていたあのころ。いまも大好きで、たくさん聞いてきたパンク、ニューウェーブのレコードの中でも一番好きな曲だ。

マンチェスターのバンドということも好きなところ。行ったことはないし、イギリスのどこらへんかもよく知らないが、ミステリーで身近になった。ニコラス・ブリンコウ『マンチェスター・フラッシュバック』は捨てがたい魅力のある街マンチェスターが出てくる。

映画を見終わってよかったなあというのみ。いまも好きです、イアン・カーティス。

「アンノウン・プレジャーズ」のレコードジャケットのデザインについて検索したら、「ジョイ・ディヴィジョンのアルバムカバーの謎が今明らかに」というサイトが出てきた。38年経って謎が解けました。

ダニー・ボイル監督『T2 トレインスポッティング』とイアン・ランキン

2017年製作のイギリス映画。1996年製作の『トレインスポッティング』から20年ぶりの続編ということで期待して見始めたんだけど、前作での印象的な画面以外はほとんど忘れていて、のめりこめなかった。
『トレインスポッティング』を見たのも封切りからかなり後になってからで、友人の男子が騒いでいたから促されて見たようなわけで。でも見たらとても面白かった。それで期待はしてたんだけど。もう一度前作を見てから気持ちの準備をして見たらよかったかもしれない。
今日はとりあえず、見たというだけ。

エディンバラの高地というか丘というか、木々の緑と空の色がよかった。
久しぶりにイアン・ランキン描くエディンバラを思い出した。ジョン・リーバス警部とシボーン・クラーク部長刑事。エディンバラの上品ではない地域で働く警官たちの物語だが、映画に出てくる壊れそうな住宅に彼らが出入りする姿が目に浮かんだ。