ニール・ジョーダン監督『ことの終わり』

ニール・ジョーダン監督「プルートで朝食を」を貸してくださったT氏によかったとお礼のメールをしたら、同じ監督の「ことの終わり」(1999)もいいとのことで、今夜も映画鑑賞した。
タイトルに原作がグレアム・グリーンとあったので、ひとしお興味がわく。途中で、これって「情事の終わり」やなとわかった。昔、デボラ・カー主演の「情事の終わり」(1955)を見たことがあり、小説も読んだ。その映画でカトリックや宗教の厳しさをはじめて知ったような気がする。先日、イーヴリン・ウォー「回想のブライズヘッド」を読んだとき、解説にグレアム・グリーンと同世代とあったので、懐旧の念がわいていた。そしたら今日この映画。

第二次大戦下のロンドンで作家のモーリス(レイフ・ファインズ)は高級官僚ヘンリーのパーティでヘンリーの妻サラ(ジュリアン・ムーア)と出会い愛し合う。
ロンドンはドイツ軍の空襲が続いている。ふたりが逢い引きしているときに大爆撃があり、廊下に出ていたモーリスははねとばされて吹き抜けに落下、サラが探すとすでに死んでいた。死んでいたとサラは思った。サラは神に助けを求めモーリスが生き返ればもう会わないと神に誓う。そこへ怪我をしたモーリスが戻ってきた。

いかにもイギリス紳士らしいヘンリーとちょっと不良っぽいモーリスと、薄幸な感じがただよう人妻サラの不倫と。サラの不倫を調査するために雇われた私立探偵親子の尾行が物語を広げている。
ロンドンは雨降りばかり。ヘンリーはいつも傘を持たずに夜の散歩をしている。帽子と厚いコートで雨よけになるんやなとつまらんことに感心した。
ジュリアン・ムーアは儚い美しさがいい。「めぐりあう時間たち」の彼女が大好き。
いまアマゾンで「情事の終わり」の中古文庫本を見つけて注文した。