数年前に読んだのは図書館の本だったのか自分のを失くしたのか、もう一度読もうと思ったのに全然見当たらない。どうしても読みたくてアマゾンの中古本に吉田健一訳のがあったので買った。送料入れて1700円だった。古本としては高い。新しい訳本が出てないせいかな。上下になっているのもあったが訳者に惹かれてこっちにした。字が細かくて老眼には読み難いけど、原文と文体が合っているように思う。
読み出したら覚えてた通りでおもしろい。読んでいるうちに、こうだったなとうなづくところ多し。画家のチャールスと元お屋敷の令嬢でいまは人妻のジュリアの恋が後半になってゆっくりと燃え上がる。父親にその年でまた結婚するのかといわれるけど、たしか34歳だから当時(大戦間)のひとは大人になるのが早かった。
お屋敷とそこに住むひと関わるひとの物語というたらええかな。
若いジュリアはロンドン社交界に華やかにデビューする。そしてジュリアと結婚したいと手を尽くして求婚した男と結婚する。だが幸せでなかった結婚生活。
アメリカからイギリスへの船の旅はたいへん荒れてチャールスの妻は船室のベッドを離れない。船酔いに縁のないチャールスとジュリアは毎日揺れる船上で会い語り合う。