徳田秋声『あらくれ』と漱石の言葉

ふと徳田秋声の「あらくれ」をなんの関連もなく思い出した。関連があるとすればヤクザ映画とボディガードの荒っぽい小説のせいで、心があらくれてるんやないかと思ったから。
「あらくれ」は若いころに読んでついていけなかったことだけ覚えている。女主人公のあまりの男好きにおたおたした。いま検索したらいいページ(日本大百科全書)があった。おおよその筋書きがあって、〈みごとに客観化され、自然主義系の傑作となったが〉とあり、その次に、〈夏目漱石は「フィロソフィがない」と批判した。〉と結んでいる。秋声と漱石のことはかじっているだけだけど、この言葉どおりだと思った。そしてわたしは漱石寄り。
検索してよかった。夏目漱石の言葉を突然読めるとは思いもよらなんだ。

今夜はこれで気持ちが落ち着いたけど、昨夜なんか映画を見てカタルシスを得られなかったせいか、頭も体もどんよりしていた。お風呂に入ったら和むかと思ったら、よけいに原発事故のことを思ったり、今後の仕事や生活の不安がおそってきた。それでもすぐに熟睡したけど(笑)。