三度目の『家なき子』は青空文庫で

『家なき子』(エクトール・マロ)は、小さい時から家にあった本で、姉や兄たちが読み散らかした本箱の中にあった。わたしが読んだのは一度や二度でなく、何度も読んで最後の幸せになるところでいい気分になっていた。

疎開先に持って行かなかったので縁は切れていたが、いまから10数年前に図書館の子供本の棚で見かけてその場で読み出し、座り込んでだーっと最後まで読んでしまった。
面白かったなあ、昔読んだままやったなあと感動したがいろいろ忙しくてそのままになっていた。その後、気になったこともあったが、そのままで、最近になってもう一度読みたいな、買おうかなと思った。そういえば青空文庫があったやん、あればすぐ読めるわと探したところ、楠山正雄訳のがちゃんとあった。昨日のことです。

いつものいらちで途中から読み出し、前へ戻ったり、最後へ行ったり、そうそう、嵐になって一家離散するところ、炭鉱で事故のところもあったっけと、いろいろ確かめつつ読んでいる。

気になったのは、ディケンズの作品と似通ったところがあることで、『荒涼館』と似ているなと思った。時代とか調べなあかんと思いつつ、思ってるだけでしょう、多分。