トッド・ヘインズ監督『キャロル』

とっても素晴らしかった小説『キャロル』の映画化。2015年11月米英公開だからすごく新しい映画だ。トッド・ヘインズ監督は先日『ベルベット・ゴールドマイン』を見たところだったので期待した。

わたしはこの10年くらい映画館に足を運んでいない。いま調べたら去年九条のシネヌーヴォへ60年代のチェコの映画『ひなぎく』を見に行っただけ。その前は普通の映画館に行っていてシネコンははじめてという時代遅れ(笑)。しっかりDVD派である。

見逃したらいかんと映画館の場所と時間を検索して早めに出発。TOHOシネマズなんば別館にたどり着いてみれば、ここは昔敷島シネマという映画館があったところだ。カトリーヌ・ドヌーブの素敵な映画を見た思い出がよみがえった。
入場券を買うのを係員に尋ねたりしてようやく着席。

時代は1950年代。ニューヨークのアパートで一人でつつましく暮らし、写真家を目指しているテレーズ(ルーニー・マーラ)はクリスマスシーズンのデパートのおもちゃ売り場で働いている。忙しい店内に美しい人妻キャロル(ケイト・ブランシェット)が娘へのプレゼントを買うために訪れた。キャロルが置き忘れた手袋を配達伝票の住所宛に送ると、キャロルはテレーズを翌日のランチに誘う。
そして、二人は自動車で旅に出る。ホテルでのラブシーンが美しい。
旅から戻ったキャロルはテレーズの電話に出ず、失意のテレーズは友人の紹介で新聞社に就職して働きだした。
キャロルは夫との離婚問題と子どもの養育権問題を経て仕事を考え始めた。最後はテレーズがキャロルが居る場所を訪ねていって向き合って終わる。

という物語のことは小説『キャロル』の感想でも書いているが、映画ではファッションや車や街の風景が目でも味わえるからいい。
それでも映画は見なくてもすんだと思うが、小説は読まなくてはすまなかったというのがわたしの感想だ。
キャロルは決まり過ぎていてちょっとなあという感じ。テレーズの一途なところがよかった。