国立国際美術館で『貴婦人と一角獣展』

地下鉄の駅に貼ってあるポスターを見て、ちょっと見たいなと思ったときは暑かった。そのまま忘れていたが、VFCの例会でYさんが招待券をくださった。10月20日までやってるから涼しくなったら行ってねとのこと。この間までほんまに暑くて動く気がしなかったが、終了日が目前になって慌てて行ったわけ。実は昨日の4時過ぎに家を出て歩き出して気がついた。美術館は5時までだ。ということで今日は3時過ぎに家を出た(笑)。

国立国際美術館はわりとうちから近くて歩いて行ったこともあるし、散歩で通ったこともある。しかし最近は膝が悪いから乗り物を利用する。ところが地下鉄もバスも降りてからがけっこう遠い。美術館では立ったり歩いたりだから疲れるのでつい億劫になる。
ぶつぶつ考えながら地下鉄で肥後橋へ出て歩いた。いま調べたらここに入るのは三度目だ。一度目は美術館ができてからすぐの「マルセル・デュシャン展」(2004年11月)、二度目は「ゴッホ展」(2005年7月)。それ以来である。

なぜちょっと見たいなと思ったかというと、「貴婦人と一角獣展」のタピスリーについて覚えがあったから。ファイル魔の相方のファイルに30年くらい前の雑誌「マリクレール」の連載、木島俊介「女神たちの変身」が26回分ある。これを覚えていた。一回目の見開き写真のタピスリーの本物が見られるのだから、ちょっと行きたくなるでしょ。それでファイルを出して昨夜にわか勉強した。
それとルネ・ギヨの「一角獣の秘密」という少年少女向けの本があるのも思い出した。いま開いて読み出したところ。

美術館はけっこう混んでいた。みんな涼しくなったのと、終了が近くなって慌てたのかな。でも大きなタピスリーだから少しくらい混んでいても大丈夫だった。
近くで見る織物の質感が素晴らしい。地色の赤が美しく全面にちりばめられた樹木や小さな花がめちゃくちゃ奇麗だ。
細かいものを伸ばして展示してあるところに、さまざまな「野の花」があって、わたしは狂喜して見ていた。ちょうどその前にベンチがあったので座って長いこと眺めていた。スミレやスズランやマーガレットなどすっごく可愛い。
一角獣、犬、兎、猿、猫、動物たちがみんなすごくノーブル。
これが1500年頃のものとは! そして19世紀の作家、メリメやジョルジュ・サンドが素晴らしいと言ったために世間に広まったという。
Yさんありがとう。中世を楽しみました。

中之島筑前橋で風に吹かれていたら寒い。そのあたりでお茶して帰ってきた。焼き芋が焼き上がりほうじ茶の香りが漂っているわが家最高(笑)。