次女物語 山岸凉子「テレプシコーラ / 舞姫」

山岸凉子「テレプシコーラ / 舞姫」(第1部10冊、第2部5冊 メディアファクトリー)を夢中で読んだが、速読しすぎたのでもう一度読んでいる。でも悲しいところは抜いてという勝手な読み方してますの。

この本は次女物語でもあると気がついた。主人公は素晴らしいバレリーナに成長するのを期待される長女千花(ちか)ではなく、踊りは姉に劣るが可愛い元気な次女の六花(ゆき)で、第2部は六花の物語になる。彼女が自分の独創力で手に入れた位置を大人たちはおどろいて見ている。日本のバレリーナはクラシックに強くコンテンポラリーに弱いとはわたしも知っていたが、六花は飛び超えたところに自分の努力で居場所を得る。バレエ教室を開いている母にはわからず、直接教えている教師にもわからなかった六花の才能が開く。わかってくれた振り付けの先生の存在があるけど・・・。六花の才能と努力をわかってくれる先生がいてよかった。

最後のところで留学した六花が写真をたくさん送った相手が金子先生だったのでほっこり。怪我をした長女につききりになった母親に代わって可愛がってくれたもんね。
笑わない美女ローラ・チャンは空美ちゃんの現在なのだろうか。謎をはらんで終わってしまった。