滝田洋二郎監督『おくりびと』

2008年の日本映画。第81回アカデミー賞外国語映画賞、および第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞などを受賞した。と ウィキペディアに書いてあった。評価されるだけのいい映画だと思う。ふだん考えたこともない葬式に関係する仕事の話で、世間知らずのわたしにはおおいに勉強になった。
当時、すごく評判になったけど見ていなかった。あまりにも評判が高すぎて見送っているうちに通り過ぎてしまったという感じ。8年後の今夜アマゾンプライムで見たんだけど、隙のないいい映画だと思う。

東京でクラシック音楽で食べていく道が絶たれ故郷山形にもどり仕事を探す。「旅のお手伝い」というぼやけた宣伝文句にどんな仕事かと行ってみると葬式の前段階の「納棺」だった。
いろんな遺体との出会い、さまざまな遺族とのやりとり、そして世間の偏見、一生の仕事と思えるまでのいろんな出来事が丁寧に描かれている。
「旅のお手伝い」と書かれたNKエージェントの広告を見たことからはじまり、最後は子どもの自分を捨てて出て行った父親の遺体と向き合う。
本木雅弘の演技と町や村の風景に引っ張られて一生懸命見た。山形を舞台にしたのもとてもよかったと思う。