永井荷風『濹東綺譚』を青空文庫で

午後から空がにわかにかき曇った感じになった。「一天にわかにかき曇り」という言葉を思い出しひとりにやにや。
こりゃ雨になるでと洗濯物を取り入れてベランダを片付けた。期待のとおりに降ってきたけど植木の水まき程度で降り止んでしまった。ネットニュースを見たら長野県の一部で大雨が降ったようだ。最近の雨はほんまに情緒がなくて大降りか降らないかだ。雨といいう言葉で永井荷風の『濹東綺譚』を思い出した。突然の雨に傘をさしたら「檀那、そこまで入れてってよ。」といいさま、傘の下に真白な首を突込んだ女がある。この一節が好き。『青空文庫』を開いたらあったのでこれから読む。岩波文庫版も持っているのだけれど。

暗くなったころに空を見たが月は見えず。東の空なら建物がじゃまになって見えないのだからしょうがない。南→西→北で建物が邪魔してなければ見えるのだが。
9時になったのでベランダへ出たら南のほうの高いところに雲に隠れつつ見えた。なんとなく安心して眺めていた。月が見えたとか星が見えたとか簡単なことで幸せになる(笑)。
11時過ぎているのに気がつきもう一度ベランダに出たら十一夜くらいの月が煌々。さて、今夜は『濹東綺譚』を青空文庫で。