ナイジェル・ニコルスン「ヴィタ・サックヴィル=ウェストの告白 ある結婚の肖像」

先月Sさんに送る荷物の中にこの本を入れたのがもうもどってきた。すぐに読み出してすぐに読み終わったのね。読む人が読めばすごくおもしろい本なのだ。
イングランド屈指の名門に生まれたヴィタ・サックヴィル=ウェストは外交官のハロルド・ニコルソンと21歳で結婚、そのかたわらに50冊以上の小説・詩・伝記などを書いた。ずっと日本には翻訳がなく知られていなかったが、映画化されたヴァージニア・ウルフの「オーランドー」のモデルとして知られるようになった。

本書が出たのは1992年(原作は1973年)で18年も経っている。わたしは早くから国書出版会から出た「オーランドー」を読んでいたので広告を見てすぐに買った。読んでびっくりというか喜んだというか、いまも大切にしている本の一冊である。

名門中の名門である夫婦の私生活を息子が包み隠さず書いているところがすごい。夫妻には子どもが二人いたが、夫婦ともに同性愛者だった。そして二人は愛し合っていた。だがお互いに同性の恋人をつくる。

暑くていけません。いつか涼しい日にこの続きを書くことにする。
(栗原知代・八木谷涼子訳 平凡社 3200円)