国民学校4年生の夏休みに山梨県の叔母夫婦の家に疎開して、その日から晩ご飯は「おほうとう」だった。味噌汁に野菜(主にかぼちゃとさつまいもとねぎ、たまに油揚げ)とうどんが入っている。うどんは毎日叔母さんが小麦粉を水でこねて、薄い板状に延ばしてからたたんで1センチ幅くらいに包丁で切っていた。かぼちゃが主の汁に紐のようなうどんが入っている。これが毎晩だが、わたしは好きだった。うどんになる小麦粉も自分の畑のもの、味噌も自家製だったしほんまの健康食だ。お客があったりなにか行事のある日はうどんは茹でてザルに盛られ別につくったつけ汁にネギとともに供された。なにか酒の肴は別についていたような。1年中こうだった。特にご馳走のときは鶏と兎が供された。
わたしがいまも内臓が元気で、お医者さんに「あんたは長生きするで」といわれるのは、2年間のおほうとうのおかげだと思っている。内臓だけでなく足腰元気でお医者さんに褒められたいけど、目下は内臓だけでもうれしく思わにゃ笑。
「うまいものはかぼちゃのほうとう」山梨出身の母の言葉。