アマンドラ・ステンバーグ主演『ヘイトユーギブ』

前知識なしで見ることになったU-NEXT配信の映画『ヘイトユーギブ』がすごくよかった。正攻法で黒人問題を16歳の黒人の少女のまっすぐな目線で描いている。2時間を超える長い映画を涙ぐみながら見ていた。
16歳の高校生スターは両親と兄弟との5人で黒人地域で暮らしていて、学校は少し離れた白人地域の高校へ通っている。父は黒人地域で小さな食料品店を経営し、母は大きな病院の看護師をしている。父はつねに娘に黒人としての誇りを持つこと、誇り高く生きることを伝えてきた。
高校には白人の仲良しがおり、白人男子生徒から付き合いたいといわれている。
スターは週末に出かけた黒人ばかりのハウスパーティーで、幼馴染のカリールに会う。彼に車で送ってもらう途中で白人の警官に車を止められ、カリールは手に持ったヘアブラシを銃と間違えられて射殺される。スターは事件の目撃者となってしまったが、マスコミはカリールをならず者扱いし、警官の行為を正当化したため警官は起訴を免れた。地域住民たちが抗議活動をはじめるが、やがて沈黙する。
カリールの無念を晴らすのはわたししかいない。スターは立ち上がる。
スターを演じているアマンドラ・ステンバーグが素晴らしい。
立ち上がった彼女はメガホンを持って群衆に呼びかける。応じてデモに参加した人々に襲いかかる警官たち。スターの父の店には火がつけられる。
最後のいままで抑えていた髪を解放しカーリーヘアにしたスターが生き生きと行動しているシーンがよかった。
2018年のアメリカ映画、129分 監督ジョージ・ティルマン・ジュニア、
原作 アンジー・トーマス『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ』(岩崎書店)