昨日は投票の帰り久しぶりに中央図書館に行った。図書館に入るのはほんとに久しぶり。
エントランスホールギャラリーで文楽の展示をしていたのでゆっくり見た。娘役の人形の髪と衣装の美しさにうっとりした。最近すっかり文楽にご無沙汰なので、人形を見ても誰かわからない。車椅子の押し役は文楽をあんまり好きでないので長居は遠慮して要所をくるりとまわって終わり。でも、見るべきところは見た。人形のかしらができるまでの材木を切ったところから完成するまで丁寧な見せ方をしていたし、衣装が美しかったし、楽しんだ。
また古い話です。
1960年ごろ、文楽は二つに分裂していて因会(ちなみかい)と三和会とに別れていた。わたしは桐竹紋十郎さんのファンだったので否応なく三和会を応援していたが、見る機会は劇場がある因会が多かった。
三和会は劇場がないからあちこちの地方で機会があればやっていたようだ。
ある日の午後に三越劇場で三和会の「八百屋お七」を見たことがあった。桐竹紋十郎さんがつかうお七を見たことは若かったわたしの誇りと自慢となった。60年ほど経ったいまでもお七の姿がまざまざと蘇ってくる。
いやー、昨日はいいものを見せてもらって、そこから紋十郎さんを思い出すことができてよい日だった。