お風呂で立ち上がれなくなったのは去年の12月半ばだった。すぐに浴槽に椅子を置くとか手すりをつけるとか即物的な対応をして、夫がいないときはお風呂に入らないと決めた。
それで立ち直ったかというとそうではなかった。
30年近くやっているヴィク・ファン・クラブの会報作りが止まってしまった。パソコンは触るけど、Pagesを立ち上げる気が起こらない。無理して触ればいいと思うけど、その無理をするという気が起こらない。
それで、ずるずるとお休み宣言するでもなく、休刊のお詫びをするでもなく、ずるずると日が経ってしまった。
2・3日のつもりが1週間経ち、半月経ち、1ヶ月以上経ってしまった。
まずは読書と、10日くらい前から私の原点であるドロシー・L・セイヤーズの本を出してきて読んですこし元気が出た。今週はイギリスのドラマ『シャーロック』を見て、青空文庫でホームズもの第1作『緋のエチュード』を読んで感想を書いたら自信がついた。あっぷ、あっぷ。ちょっと泳いでみるか。
なんとか浮上できそう。
考えれば、お風呂から出られなくなったって、すごく怖いことだ。恐怖心を抑え込まずに怖さを怖いと感じてしゃべって、再浮上を期すこと。いま感じていることはこれ。
美味しいものを食べて、人と会って、電話して、メールして、楽しく暮らす。再浮上する。