姉の庭で隣家の庭の桜の大木の落ち葉を掃いた。「どうせまた落ちてくるからええかげんでええよ」と姉は言うが、明日は雨らしいから掃いておかないと溝につまったら困るだろう。
「若いときは中原淳一が〈わくらば〉と言うたのをおしゃれと思い込んでたけど、ここに住んでからはこんな困るもんはないわ」と姉が言う。わたしも淳一先生のイラストで〈わくらば〉を知った。漢字では〈病葉〉で、検索したら「病気や虫のために変色した葉。特に、夏の青葉の中にまじって、赤や黄色に色づいている葉。」とあった。
わたしも姉もそこまで厳密ではなく、色や形から桜の葉が色づいて落ちたのをそう言っている。
昔の雑誌に載ったのが、いまはレターセットとかになっていて〈中原淳一ショップ それいゆ〉などで売っていると思う。わたしもずっと前に淳一展で買って大事に持っている。
先日読んだ〈ユリイカ〉の淳一特集号にも124ページにカラーで出ていた。(「ジュニアそれいゆ」昭和30年10月号表紙と昭和33年11月号表紙の原画)。わたしの持っているレターセットは違う構図だから〈わくらば〉は淳一先生のお気に入りのテーマなのね。
おっと、「ユリイカ」の表紙も〈わくらば〉と少女だ。
きれいな〈わくらば〉を1枚拾って本に挟んでおこう。すぐに色あせるけどね。