舌平目のムニエル

スーパーでめちゃくちゃ安かったと相方が買い物から帰ってきた。すぐに丸元淑生さんの料理本を引っ張り出して「これや、これや」とうれしそう。まな板には大きな舌平目が一匹横たわっている。「舌平目はムニエル」と口に出したわたし。「ええっ、長いこと食べてへんやん。どないするんやったっけ」「そやから調べてるんや」「たしか、バターと小麦粉やった」なんやかんやいってたが結局は丸元さんに従った様子。晩ご飯はビールと大皿に野菜(じゃがいも、ピーマン、きのこ)を従えた舌平目のムニエルとサラダ、味噌汁、海苔。舌平目が大きくて厚いので酒の肴に十分だった。

いやー、久しぶりに食べたなあ。サガンの登場人物が食べてたような気がするなあ。ミステリでもあったで、イギリスの警部さんがソウルムニエルを注文するねん。ドーバームニエルな、などなど、うんちくらしきものを垂れ流すのがわたし。

いやー、久しぶりの舌平目のムニエル、おいしかったよ。大阪湾産とのことだが、どのへんを泳いでいたのかな。

イングマール・ベルイマン監督『夏の遊び』

『夏の遊び』(1951)はイングマール・ベルイマン監督10本目の作品とのことだが、わたしはその存在を全然知らなかった。50年代の有名な作品をいろいろ見たとき『野いちご』に惚れ込んでレーザーディスクを買い何度も見た。その後もベルイマン監督の映画を見続けて『沈黙』には入れ込んだ。そのあとは見た覚えがあると思うのだが、タイトルだけではわからない作品がある。
久しぶりに今夜ツタヤで借りてきたDVDで『夏の遊び』を見て興奮し、また『野いちご』見たいな、DVDが欲しいなと騒いでいる。

王立オペラ座の首席バレリーナをつとめるマリーは、いろいろあって13年前の夏の記憶を思い出す。現在のマリーは少し疲れが見えるが貫禄のあるプリマバレリーナである。そして新聞記者の恋人がいる。彼女のもとへ匿名で古い日記帳が送られてきた。開いて見ると昔の恋人ヘンリックの名が書かれていてショックを受ける。
そこからマリーの13年前の夏の物語が描かれる。海辺の家での若い二人と犬の自由な生活。泳いだり走ったり食べたり寝たり、北欧の夏の描写が素晴らしい。そこにいる若い二人が美しい。
やがて海に風が吹きマリーが秋の気配を感じとったとき、ヘンリックが岩の上から海に飛び込んで大怪我をし、病院で死亡。残されていたノートを黙って叔父が持っていく。そのノートが13年後のマリーの手元に送られたのだ。

マリーはバレーに集中し踊りきり拍手の中で幕が下りる。現在の恋人が舞台の袖に立ってマリーを迎える。