阿弥陀池和光寺の花祭り(わたしの戦争体験記 53)

今日4月8日はお釈迦様の誕生日で花祭りの日だと気がついた。
西六国民学校の3年か4年のときに下の姉に近所の阿弥陀池和光寺へ連れていってもらったことがある。我が家は父が仕事に行き、母は家で内職が忙しかったから、小さな子の世話はきょうだいがすることになっていた。路地から長堀通へ出て白髪橋を渡って阿弥陀池筋を南へ行くと左側に和光寺があった。いまもある。当時はその近くに姉が通っていた精華女学校があった。校庭には楠がのびのびと植わっていたのを覚えている。

寺に入ると池があって人がいっぱい。なにかなと覗き込むと亀がたくさんおり、亀を見ながら子供たちが指差したり叫んだりしながら遊んでいる。
池の水がお日さんに当たってぴかぴか光っている。でっかい亀が甲羅を干していたり、うるさい子供たちの声から逃れるためか首をひっこめてごろんと寝てたり。春の日差しが暖かく気持ちのよい午後だった。

亀に飽きたこどもたちには甘茶が振舞われていた。順番を待って甘茶をいただき、お釈迦様像に手を合わせた。
出店があって飴を売っていたのを姉が一袋買ってくれたので、持って帰って母にお土産として渡した。

最近、折口信夫先生がこのお寺、阿弥陀池和光寺に来られたときのことを書いておられるのを読んで、あそこへきはったんやと感慨ひとしおだった。

ヨルゴス・ランティモス監督、コリン・ファレル主演『ロブスター』

ツイッターで知人が感想を書いていたのを読んだら興味がわきアマゾンプライムで見た。ちょっとSFでちょっと変わった作品と書いてあったとおり、タイトルがヘンだしどんな映画かなと気になった。

ヨルゴス・ランティモス監督(ギリシャ出身)の作品を見るのははじめてで、ちょっととっつきにくかった。冗談のようでもありSFのようでもあり、おもしろく見られる場面とあほらしくなる場面とがあって途中で少し飽きるところもあった。
ここで描かれる近未来社会は、子孫を残すことを強制的に義務付けられた社会である。そのうち日本もこうなるのかなと思わせるが、日本はきっとこのような即物的な形にいくまでにまず精神的に追い詰められていくんだろうなと想像してしまった。重く怖いSF映画だった。
それでも画面はいかにもアイルランドという感じの森の木々が懐かしいような気持ちを起こさせ息抜きになった。

コリン・ファレルの映画を見たのは3本目だけど、せっかく好きになっていたのに、お腹に贅肉がついちゃって・・・役に合わせて撮影前にしっかり体重を増やしたんだろうな。
レイチェル・ワイズ 、レア・セドゥはともに美してよくやっていた。

『ロブスター』はちょっとわかりにくい映画だったが、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(2017、コリン・ファレル、ニコール・キッドマン主演)と『女王陛下のお気に入り』(2018、オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ主演)を見たらヨルゴス・ランティモス監督のことを理解できるのではないかしら。

ショートパスタもうまい

この数年は朝昼兼用ごはんにパスタを食べることが多い。料理人の腕があがっておいしいパスタをほとんど毎日食べている。
最近買った料理本はかなり前に出たものを図書館で見つけて古本を購入したのだが、すごく参考になるんだって。『おうちでイタリアン』という本。

ときどき個食のときがありお互いに自分の分だけ作って食べるのだが、わたしが自分のためにつくるのは、しごく簡単なものばかりだ。まずバナナを1本食べて、ミルクにシリアルを入れて温めたもの。野菜たっぷりラーメン。トーストにスクランブルエッグをのせたの。それから、ショートパスタを茹でておいてニンニクを炒めたのにトマト缶のトマトと玉ねぎを入れて炒めて、茹でておいたパスタをからめて、最後にパセリを大量にふりかける。これはけっこううまくてたくさん作っておくと、次のご飯のときの一皿になる。

今日のショートパスタはもうちょっと手間がかけて作っていたようだ。パスタを茹でておいて、菜花を茹でてオリーブオイルで炒めてパスタにからめてあった。なんか肉系のものも入っていたっけ。
スープがついていた。じゃがいもとにんじんとキャベツとウインナーソーセージ入りポトフ。

期日前投票して、帰りに土佐稲荷で花見

わたしはいままで期日前投票に行ったことがなかった。いつも選挙日当日に迷いなく行っていた。あるいは行かなかった。今回は期日前投票というものを経験しよう。期日前に投票する理由が区役所から来たお知らせにいくつか書いてあり、わたしには理由がちゃんとあるから堂々と◯をつけた。

区役所に行くとなんか人が多い。椅子やベンチが増えて活気がある。エレベーターで4階に上がるとけっこう広い場所が選挙用に準備してある。係員もたくさんいる。選挙の対象が4つで、ぐるりと回って投票するようになっている。わたしは車椅子に乗って、相方が押していたのだが、係りの人が代わって押してくれて、二人同時に投票できた。昨夜、区役所の選挙公報を読んで投票する人をメモしていったので楽勝だった。
けっこう投票する人が来ていたが混んでいるというほどではなかった。4ヶ所投票するんやからきっと7日は混むだろう。今日来ておいてよかった。

区役所を出て長堀通を渡るとすぐに土佐稲荷神社がある。境内と隣接した公園とに桜がたくさん咲いている。八分咲きか九分咲きでもうちょっとで満開という感じ。土日が天気らしいしお花見日和になりそう。
場所取りのブルーシートがあちこち広げてある。そろそろ5時になるが、飲むのにはまだ早い時間だ。早めに陣取った子供づれが楽しそう。金曜日だからこれからどんどん増えていき賑やかになるだろう。わたしらは桜の木の植え込みの下にぐるっと並べて敷いてある石に座って、持ってきたサンドイッチ(たまご、ハム、きゅうり)と紅茶でおやつ。周りを子供らが走り回っている。
まだ桜は一輪も散っていない。

お花見よかったねといいながら神社から出て長堀通をもどると、野菜を商っている屋台があった。大阪近郊で収穫した新鮮な野菜を持って毎週金曜日に来ているとのこと。初めて見る菜っ葉などけっこう買い入れ。
それから区役所の裏に出たら、いつのまにか阪急オアシスが開店していた。うちは新聞とってないのでスーパーのチラシがないからわからんかった。今日はしんどいから今度来ようということで帰ってきた。

大日本雄辯會講談社発行 「少年講談」(わたしの戦争体験記 52)

戦争中の読書を考えると次々と読んだ本を思い出すことになる。学校にあがる前から少女ものを読んでいたが、これは姉2人が持っていたおかげで、吉屋信子をはじめとする少女小説と少女雑誌があったおかげだ。

それだけでなく、わたしは少年ものも好きだった。姉2人の下に兄が2人いて父親が買ってきた少年ものがたくさんあった。佐藤紅緑の『あゝ玉杯に花うけて』『夾竹桃の花咲けば』なんか好きだったなあ。それに新町には近所に貸本屋さんがあって、兄たちは毎日のように借りに行った。借りる本はほとんど「少年講談」で、わたしは兄たちが読んだあとに回してもらって読んでいた。1冊を3人が読むので割安だ(笑)。

少年ものだけでなく熱中したのが時代もので、いまここで名前を思い出せるだけ書いてみようか。と書き出したものの、記憶力散漫ですぐには名前が出てこない。ネットのお世話になりながら書き出したのは以下で順序はばらばら。
田宮坊太郎、荒木又右衛門、柳生十兵衛、岩見重太郎、三好清海入道、稿団右衛門、真田幸村、猿飛佐助、荒木又右衛門、塚原卜伝、後藤又兵衛、などなどキリがない。
なかでも一番好きだったのが塚原卜伝。最後のほうで、白髪の卜伝が田舎の家でいろりに鍋をかけて座っているところへ悪漢が現れ刀を向ける。木の鍋ぶたを手にもって刀を受け、やっつけるところがかっこいい卜伝さまはいまもわたしのヒーローである。

寒さにサイナラ

1日の月曜日に前々から決まっていたお花見パーティに相方が行って、深夜に寒かったーと帰ってきた。その日の晩ご飯を食べてるときの7時のニュースで野村アナウンサーと気象台の人が今週の寒さについて話していた。月火水とこの寒さが続き、木曜日の朝まで寒いそうだ。木曜日、つまり明日の朝まで冷え込み、午後からは暖かくなるそうだ。やれやれ、これで寒さとさよならできる。

もう寒いのはかなわん。寒いのはいやと何度かぼやいたたけど、今回でおしまいにしてほしい。もう一回寒の戻りとかあったらいややで。
あさって金曜日は近所の神社へ花見(花を見るだけの)に行こうかなと思っている。暖かかったらね。

あまーいケーキが食べたい。和菓子もいいな、春らしい色合いの。

魚の料理を2皿

昨夜遅くまでお花見パーティに行ってた1人のせいで朝昼兼用のご飯が午後遅くなり、それにつれて晩ご飯も遅くなった。
わたしは1日中ヴィク・ファン・クラブ会報の最後の詰めで忙しかった。相方ができたらポストに投函しにいってやるとのことで、最後の追い込みを頑張った。夕方ようやく片付いてポストと買い物に行ってくれて、遅くなったが晩ご飯。

赤ワイン、カツオのカルパッチョと生野菜、大きなイワシをフライパンで焼いたのと、キャベツと豚肉の炒めたのという主菜が3皿という質素ながら豪勢な晩ご飯であった。食べた後はご飯と味噌汁、最後に番茶とかりんとう。

最近は魚2品がおかずになっていることが多い。高級魚ではなく、イワシ、サバ、アジ、イカ、カツオなど。焼く、煮る、炒める、漬ける、など和風もするが、オリーブオイルつかっての洋風が多い。わたしだったら母親ゆずりの田舎風になるところをうまく洋風でおしゃれにしているところがなかなかのものである。

そういって褒めて毎日つくってもらっている。ありがたい。でも食べ終わって食器洗いはわたしがしている。皿数が多い。鍋、ボウル、ざる、など道具が多くてかなわんけど、うまいものを食べさせてもらってるから黙って洗う。
これから洗い物です(笑)。

アマンドラ・ステンバーグ主演『ヘイトユーギブ』

前知識なしで見ることになったU-NEXT配信の映画『ヘイトユーギブ』がすごくよかった。正攻法で黒人問題を16歳の黒人の少女のまっすぐな目線で描いている。2時間を超える長い映画を涙ぐみながら見ていた。
16歳の高校生スターは両親と兄弟との5人で黒人地域で暮らしていて、学校は少し離れた白人地域の高校へ通っている。父は黒人地域で小さな食料品店を経営し、母は大きな病院の看護師をしている。父はつねに娘に黒人としての誇りを持つこと、誇り高く生きることを伝えてきた。
高校には白人の仲良しがおり、白人男子生徒から付き合いたいといわれている。
スターは週末に出かけた黒人ばかりのハウスパーティーで、幼馴染のカリールに会う。彼に車で送ってもらう途中で白人の警官に車を止められ、カリールは手に持ったヘアブラシを銃と間違えられて射殺される。スターは事件の目撃者となってしまったが、マスコミはカリールをならず者扱いし、警官の行為を正当化したため警官は起訴を免れた。地域住民たちが抗議活動をはじめるが、やがて沈黙する。
カリールの無念を晴らすのはわたししかいない。スターは立ち上がる。
スターを演じているアマンドラ・ステンバーグが素晴らしい。
立ち上がった彼女はメガホンを持って群衆に呼びかける。応じてデモに参加した人々に襲いかかる警官たち。スターの父の店には火がつけられる。
最後のいままで抑えていた髪を解放しカーリーヘアにしたスターが生き生きと行動しているシーンがよかった。
2018年のアメリカ映画、129分 監督ジョージ・ティルマン・ジュニア、
原作 アンジー・トーマス『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ』(岩崎書店)