ピーター・ジャクソン監督『ホビット 思いがけない冒険』

思いがけなくDVDを貸していただいた。
映画館に行くのはおっくう、そしてレンタルで借りるにはちょっとーという感じで、でもけっこう気になっていたのが、今日わかった(笑)。

岩波書店の子ども向けの「ホビットの冒険」を買ったのはいつだったかと検索したら、1965年発行のを読んでいたのがわかった。48年前のことだ。そのころ児童文学に突然目覚めて、旭屋書店の子ども本売り場によく行っていた。そこでいろいろ買った中でいちばん楽しかった本が「ホビットの冒険」だった。
その後に、相方と独立して仕事しようということになり、名称を「ビルボ」にした。そんなもんで映画の中で「ビルボ」と誰かが呼ぶたびにどきっとした(笑)。
その後「指輪物語」が出たので全部読んでおもしろかったが、長いから二度読む気が起こらなかった。

1997年に、ダグラス・D・アンダーソン=注 / 山本史郎=訳「ホビット」第4版・注釈版(原書房)を買って読んだのが、わたしのホビットオタク気分を満足させてくれた。その前にもアメリカ版の地図やイラスト入りの本を買っていたのだが英語が読めないからしかたがない。

それ以来の「ホビット」である。
映画は2時間50分もあり、しかも去年、今年、来年と年末に公開される3部作の一回目である。長いがわたしはその長さに満足して見ていた。
最初のホビット庄のビルボ・バギンスの家がステキ。想像より機能的な家だった。いまイギリスの昔っぽい家としてコージーミステリに出てくるよりすっきりしているような気がした。

長いこと「ホビット」から離れているので、忘れていることも多いのだが、見ながら思い出していた。
ドアーフたちのリーダーであるトーリン、かっこええ。そのトーリンが危うく首を切れられところを、相手のオークに剣を持って飛びかかるビルボ。「まことの勇気は助けるときに試される」とガンダルフの言葉をそのまま実践。トーリンは一度ビルボを仲間にふさわしくないと言ったことがあったのを謝罪する。でも、その前にビルボは自分には帰るところがあるが、君らには帰る故郷がないとドワーフたちに冷たいことを言ったことがあった。

ゴクリ(ゴラム)は楽しい。楽しいと言うのはおかしいが、「ホビット」でいちばん愛嬌があるよね。「あっ、ゴクリやゴクリや」と叫ばす存在感あり。