ピーター・チェルソム監督「セレンディピティ」

久しぶりに大好きなジョン・キューザックを見て楽しんだ。長いこと見ていなかったので好きなことも忘れていた(笑)。
ビデオのタイトルは「セレンディピティ〜恋人たちのニューヨーク〜」 となっているそうで、こちらのほうが内容がわかりやすくていい。2001年製作。
いまニューヨークの私立探偵ジョー・ヴェニスの本(木村二郎さんの「残酷なチョコレート」)を読んでいて気分はニューヨークなのでちょうどよかった。

クリスマス前のニューヨークのデパートで、同じカシミアの黒い手袋を買おうとしたジョナサンとサラ(ジョン・キューザックとケイト・ベッキンセール)は、在庫はそれしかないと言われ、取り合いしたり譲り合ったりしたのちカフェで話す。
ジョナサンは名前を5ドル札の裏に書き、サラは持っていた本に書いた。それを両方とも手放し、運を天に任せようとサラはいう。
マフラーを忘れたジョナサンと、手袋が入った袋を忘れたサラは同時にカフェにもどり、いっしょに雪の降るスケート場でロマンチックなひとときを過ごす。そとあとはウォルドルフ・アストリア・ホテルのエレベーターで別々のエレベーターに乗って同じ階で降りたらという(サラは黒い手袋の片方をジョナサンに投げる)が、すれ違ってしまう。

数年後、ふたりはそれぞれの相手との結婚がせまってきている。いつも古本屋で同じ本を探しているジョナサンに婚約者はその本の初版本を贈る。
サンフランシスコで心理カウンセラーをしているサラはミュージシャンとの結婚式を前に友だちを誘ってニューヨークへ婚前旅行をする。
ジョナサンは明日は結婚式だというのに友人の助けを借りてサンフランシスコのサラの自宅へ行く。窓からベッドシーンが見えたのをサラと誤解して落ち込む。
帰りの飛行機に乗り込んだサラはジョナサンの連絡先がある5ドル札を見つけてあわてて降り、ジョナサンの住まいに直行。いまごろは結婚式だといわれてあわててホテルへ向かう。

うまい脚本で軽快に進むストーリーが楽しい。ジョン・キューザックが気楽そうなところもよかったが、必死になるところもよく、男の友情もよろしいし、百貨店の係員とのやりとりもコメディタッチでよかった。最後に片方ずつの黒い手袋が一対となるのもおしゃれ。