キース・フルトン &ルイス・ペペ監督『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』

映画をよく見ていると自負していたのはいつのことだったやら。いまDVDを貸していただいている映画の大部分はタイトルも知らなくて情けない。
今回の「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」(2005)を見る前にT氏からの解説を読んだ。
【原作は「地球の長い午後」で知られる、英国SF界の奇才ブライアン・オールディズ。ロックと映画、英国が誇る現代カルチャーの鮮やかな結合です。】
まず、ブライアン・オールディズを知らんがな、と言ったら相方がSFの棚から「地球の長い午後」を出してくれた。これもショック。なんか良さげなのでいま読んでる本をすませたら読む。

ドキュメンタリー映画ではないと承知して見はじめたのに、見ているうちにそのままドキュメンタリーとして見てた。
結合性双生児の兄弟として生まれたトム(ハリー・トレッダウェイ)とバリー(ルーク・トレッダウェイ)は、父と姉とともに島で育ち暮らしていた。島にぽつんとある建物がすごく雰囲気があって、海岸で遊ぶこども時代のふたりの姿が楽しげだけど孤独ですごい。
1975年、青年になった彼らを音楽で売り出そうとする人たちが、バンド名をザ・バンバンとして練習をはじめる。美しい結合性双生児を演じるのは美形の双子の兄弟ハリーとルークで実際に11歳からバンドをやっていたというから迫真力あり。
練習が進むにつれ妖しい美しさを発揮し出すふたり。グラムロックの美しさとパンクの激しさを合わせたような彼らの音楽と危うい姿にクラブの客もノリノリになる。

ブライアン・オールディズとケン・ラッセルの本人が出演している。それでますますドキュメンタリーを見ているように錯覚するのか。
よかった、よかった、すごく気に入った。異形の美形に魅せられた。