マイケル・ウィンターボトム監督『ひかりのまち』

マイケル・ウィンターボトム監督の映画は以前に「日陰のふたり」「24アワー・パーティ・ピープル」を見たことがわかった。それと今回貸していただいたDVDで「GO NOW」と「ウェルカム・トゥ・サラエボ」を見てウィンターボトム熱があがった。

今日は友人が好きだという「ひかりのまち」(1999)を見た。とても温かい気分になった。
ロンドンで暮らす一家の物語。最初はひとりひとりの物語が別々にあるので戸惑ったが、だんだん繋がってきた。ちょっと郊外に暮らす両親は夫婦仲が悪い。息子は黙って出て行ってしまい、姉妹3人はナディアがカフェのウェイトレス、デビーは美容師で夫と別れ小学生の息子と暮らし、元教師のモリーはもうじきこどもが産まれる。それぞれが自立して暮らしている。
モリーは夫のエディが仕事を辞めたがっているのを知らずにいる。ナディアは伝言ダイヤルで男性と知り合ってはデートしている。スリルのあるデートで危ういときもある。ロンドンの二階建てバスに乗って帰宅するときもしつこく声をかけられたり。デビーも閉店後の店に男を連れ込んだり奔放な生活。別れた夫が息子を迎えにきてサッカーと花火に連れて行く。モリーの夫は仕事を辞めたのがばれて家を飛び出す。デビーの夫はサッカーから帰ると息子をほったらかしで飲みに行き、息子は一人で夜の街へ出てひどい目にあう。
モリーは翌朝、姉に泣きついて3人姉妹はカフェで話すが、モリーは産気づいて病院へ。
両親は不仲なのだが、どうやら母親に原因があるらしい。父親は待たせてもらった近所の女性の家でお酒をよばれ、ダンスをして若返る。

3人の姉妹がそれぞれ個性が強く自立している。モリーがこどもを産むシーンが長いのが心やさしいウィンターボトム監督のメッセージのような気がした。
ロンドンに住む庶民のお話だが、お金がなさそうなのに生活が豊かなのだ。物価が安くてパブにも行きやすいのだろうと思う。