先日チラシをもらって行く気が起こった。がれき処理も除染も言葉を知っているだけだから、ちょっとは勉強しておかねば。午後2時から4時までの2時間、大阪市立すまい情報センターのホールにて。
地下鉄天六で降りて上がったら大阪市立すまい情報センターがあって、そこの3階のホールは清潔で冷房がよく効いていた。受付で資料をもらい開始時間きっちりに着席。すぐに熊本先生(明治学院大学教授)の話がはじまった。熊本先生は大阪での講演ははじめてだそうだが、諄々と説くという感じでとてもわかりやすかった。
熊本先生はゴミ問題研究で30年だそうだ。緑風出版から「脱原発の経済学」に続いて「がれき処理.除染これでいいのか」(この本会場で買った)が出ている。
まず「がれき広域処理とその仕組みづくり」からはじまった。〈広域処理の遅れが復興を妨げているのか?〉「岩手11年分、宮城19年分」は嘘、と明確な答え。「地元処理のほうが復興につながる」との首長の見解がある。
日本は汚染循環型社会だとのこと。昭和電工は水銀を大気中に放出している。逃げ道を用意した規制だからだって。また汚泥の処理施設では汚染の先送りをしている。汚泥が掃除機のゴミ袋と同じ状態で、土壌汚染地域をどんどん作って汚染地帯を広げている。大阪市の護岸は潮の干満でぐらつき、汚濁物質は海へと続いている。護岸では防げない。
広域処理について、5月8日仙谷発言「県は産廃処理の経験がないから国が直轄で」が「全国的広域処理」の契機となった。「県の代行」による「地元処理」は大手ゼネコンへの丸投げである。仙台市だけが自区内処理で成功した。被災市町村が仙台方式を採っていればがれき利権は生じなかった。
○がれき利権と除染利権と帰還推進はセットになっている。
お話は90分あり、そのあと司会者の下地さんが加わって30分の質疑応答があった。質問に答えて、中国電力上関原発のときの経験を語られ「からだをはって止めることも必要」とおっしゃった言葉に感銘を受けた。
これから「がれき処理.除染これでいいのか」を読んで勉強する。
(熊本一規、辻芳徳 共著 緑風出版 1900円+税)