先に自叙伝を読んだので理解しやすかった。
本書は大きく4章に分かれ、4章が40項目に分かれたわかりやすい構成になっていて楽しく読めた。
高齢者の文章によくある青汁を毎日飲んでいるとか体操しているとかの健康法などいっさいなく、楽しく一人暮らししていることが伝わってくる。自然体なんだけど大きな声で自然体でやってますというところがない。
ずっと着物でとおしてはるそうだが、自慢するでなく人に勧めるでなく、自然に着物を着ておられる。ふと、剣豪 塚原卜伝が歳をとって静かに暮らしている食事中に斬りこまれ、卜伝は鍋の蓋を盾にして刀を止めたところを思い出した。ほんま、名人の暮らしをされていると感じた。
各章の終りにはまとめの言葉が入っていて、おっ!と思うところ何カ所もあり。
これ↓気に入った。
なんとなく過ごす。
なんとなくお金を遣う。
無駄には、
次のなにかが兆している。
必要なものだけを買っていても、
お金は生きてこない。
すごくおしゃれで楽しい人だ。
あと、恋の話を聞きたかったと思うのは野暮かなあ。
(幻冬社 1000円+税)