去年の暮れに『キャロル』(パトリシア・ハイスミス、柿沼瑛子訳、河出文庫)を読んでからずっと『キャロル』にひたっている。その次に映画を見た。映画館で映画を見るのは久しぶりですごく上質な恋愛映画だった。
それからはツイッターで映画『キャロル』を何回見た何十回見た何百回見たとの共感のツイートがたくさんあり、英語版のDVDを楽しんでいる人もいて羨ましいかぎりだった。その後アマゾンで字幕版のBlu-rayが出るのを知りすぐに申し込んだ。
大阪でキャロラー会が発足したというツイートを横目で見ていた。友人に行くんですかと聞かれたけど、いくら厚顔なわたしでもこのトシでのこのこと行くのもね、ということでツイートを羨ましく読んでいた。
キャロル合同誌『Flung Out Of Space』の発行を気にしていたのだけど、申し込みが遅れて1回目の締め切りに間に合わず増販の申し込みに滑り込んだ。届いたのが9月30日だった。
『キャロル』の本と同じ大きさで表紙のカバーと帯がそっくりな出来栄えである。すごい本格的。プロローグからはじまって第一部、第二部とエピローグまで、文章とイラスト(カラー版たくさん)とコミックで構成されている。書いているのはすべてキャロラーさんたちである。文章力がすごい、絵を描く能力がすごい、その力が結集した本である。「好き」という原動力が文章を書かせ絵を描かせているのを感じる。(ベタ褒めです。)
裏表紙の言葉がすべてを語っていると思うので引用する。
【今日キャロりたい・・・と思ったあなた。この一冊でこれから毎日キャロれます。(中略)映画『キャロル』をこよなく愛する者達によって創られた渾身の一作】
本が届いてから今日まで毎日あちこち読んだりイラストを眺めたりしていたが、なかなか紹介記事が書けないでいた。今日になってふと思った。毎日楽しんで読んでいると書いたらいいんや。わたしの大切な生涯に何度でも読む本に加えて。