佐伯清監督「昭和残侠伝」

懐かしき「昭和残侠伝」だけど、シリーズ1作目ははじめてだ。このシリーズはタイトルを覚えていないが何本か見ており、後期だと思うけど、雪が降っていて池部良が傘を高倉健にさしかけるシーンが美しかった。それだけでなく全体に様式美ともいうべき極ったシーンがあってしびれたことを思い出した。

戦後すぐの闇市シーンからはじまる。浅草の青空市場からマーケットを建てるまで、伝統を守る神津組に新興やくざ新誠会がからむ。由緒ある組の親分は時代の流れのなかで跡目にしようと考えている清次が戦争から復員するのを待っている。親分が息子の目の前で銃弾に倒れ遺言を残したあとに清次(高倉健)がもどってくる。清次の恋人綾(三田佳子)は縁続きの組の親分と結婚していた。
家出した妹を探して風間(池部良)は東京へ出てきて組の居候になっている。池部良と菅原謙二が仁義をきるところがなんともいいようがない。売春婦に身を落とした妹はこの組の一人と恋仲になっていた。殺された恋人の葬式の場で兄と妹は出会い、妹は結核で入院するが死んでしまう。
力のある親分の世話で小売商たちをなんとか自立させようとマーケットを建設していると、夜中に新誠会に火をつけられて全焼。

我慢の緒が切れて清次が立ち上がる。みんなはこれからのマーケットのことを考えろ、俺はひとりで行く。歩き出すと風間が待っていた。ふたりは新誠会事務所へ乗り込む。