ヴェラ・ヒティロヴァ監督・脚本『ひなぎく』(2)

ウキペディアを読んでわたしがなぜ「ひなぎく」を昨日見ることになったか納得した。日本での公開は1991年だったのだ。60年代はマイナーを含めてすごく映画を見てたから公開されてたら見ていたはずだ。1991年に知らなかったのはあかんけど、そのころは映画は家でレーザーディスクとビデオで見るものになっていた。
検索したら2007年には東京だけでなく全国的に小さな劇場で上映されていた。アンテナを張っていたらわかるはずだった。どれだけ映画館に行かなかったか、行かないから情報も集めなかったかわかる。

二人の少女の常識はずれのいたずら。まじめになろうってセリフがあったように思うが、なれるはずもない。60年代のチェコスロバキアに生きたヴェラ・ヒティロヴァは社会主義社会の息苦しさを、二人の少女の無頼な生きかたに託して描いた。

わたしには70〜80年代に彼女らのようなファッションの女友だちが何人かいた。親の家を出て独り住いしたり、妻子のいる男友だちと駆け落ちしたり、マリエのような水玉のドレスを着て男たちに酒をおごらせていた。我が家がそういう子の溜まり場だったこともあった。
彼女らはさすがに「ひなぎく」のパーティのシーンのようなことまではできなかった。いまは中産階級のいいお母さんになっている。少女の息苦しささえ中途半端やった日本を実感する。
(製作:1966年 日本公開:1991年、リバイバル上映:2014年)