ものすごーく好みの映画だった。
ずっと昔に見た「オール・アバウト・マイ・マザー」と、先日見たばかりの「抱擁のかけら」 と2本だけしか見ていない監督だが、半自伝的映画と知ったからには早く見たい。1980年代を描いた2004年の作品。美しい恋愛映画だった。
若くして成功し活躍している映画監督エンリケ(フェレ・マルティネス)のもとに、イグナシオだがいまはアンヘルと名乗る青年(ガエル・ガルシア・ベルナル)が訪ねてきた。イグナシオは16年前にエンリケが少年時代を過ごした神学校の寄宿舎の親友の名前だ。エンリケには彼がイグナシオと納得できないが、二人の少年時代を描いた脚本を持ってきて読んでほしい、映画に出演したいという。なにか納得できないものを感じるエンリケだが、脚本が素晴らしいので映画化することになった。
エンリケは脚本を読んで子ども時代を思い出す。
少年時代のイグナシオは聖歌隊員で美しいボーイソプラノで歌った。マノロ神父はイグナシオを寵愛していた。エンリケとイグナシオはスポーツや会話で惹かれ合うが、マノロ神父に邪推されてエンリケは退学になった。イグナシオは愛を失い神も失った。
それから16年、エンリケには過去のイグナシオとここにいる青年とが同じ人物とは思えない。彼の故郷を訪ねて母親に会い話を聞く。
イグナシオの弟が、田舎であんな兄がいたら近所の人たちにどう言われるかわかるかというところでわが家では同感の笑いが起こった。
二人の少年時代をやった少年二人とも美しい。
イグナシオ(アンヘル)と女装のサハラ役が、「モーターサイクル・ダイアリーズ」でゲバラをやったガエル・ガルシア・ベルナル。
わたしはエンリケ役のフェレ・マルティネスが好み。