24日の日記「本との出会いとVFC例会」で書いたけど、家から本を持って出るのを忘れるという珍しいことがあった。それで堂島地下街のコンビニで週刊誌か女性誌でも買おうと思ったんだけど、ふと横にあった文庫本の細い棚を見たらこの本があった。
杉江松恋「海外ミステリーマストリード」(日経文芸文庫)。この本が出ているのも知らなかったが、著者のお名前は雑誌やネットでよく見かける。シャーロック・ホームズでギネスを手に読むのにちょうどいいと思った。
それでお仕事で遅くなるIさんを待ちながら1/3くらい読んだ。そしてふと気がつき、目次の書名の上に□があったので、読んだ本に*を入れていった。数えたら100冊のうちの50冊読んでいた。うーん、少ないような、いや多いような気もするが、ミステリ読みとしては少ないかな。
サラ・パレツキーとドロシー・L・セイヤーズがあるし、「レベッカ」があるのがいいな。レジナルド・ヒルよしよし、フェルディナント・フォン・シーラッハがちゃんとある・・・。
途中でミステリーから離れた時期が長いけど、こどものときから父親の探偵小説と雑誌を読んでいるから古いのはよく読んでいる。ポー「黒猫」、ルルー「黄色い部屋の秘密」、クロフツ「樽」、ミルン「赤色館の秘密」、ベントリー「トレント最後の事件」、そしてセイヤーズの「大学祭の夜」なんかを思い出す。親兄姉が読んだ後のよれよれになった雑誌「宝石」でウィリアム・アイリッシュやチャンドラーやクレイグ・ライスを読んだ。そんなことも思い出してしまった。
ここからが本の紹介。
1冊の本の紹介が3ページに収めてある。日本語タイトルと作家名(生年-没年)があって原書名と出版年がある。そして〈あらすじ〉〈鑑賞術〉〈さらに興味を持った読者へ〉〈訳者、その他の情報〉となっている。
読んでない本は〈あらすじ〉〈鑑賞術〉でかなり内容がわかり、これから買って読もうと思った本あり。
ありがたいのは〈さらに興味を持った読者へ〉で、100冊に入れなかった作家の紹介があること。特にわたしがミステリーにもどってきたときに、ポケミスをがばっと買って読んだネオハードボイルドがたくさん取り上げてあるのがうれしい。これが100冊のうちに入っていたらチェックの数が増えていたはず(笑)。
不満がいっこ。〈さらに興味を持った読者へ〉の章に警察小説がかなり入っていて好きな警察官たちがいるのだが、イアン・ランキンのリーバス警部の名前が出てこない。見落としかもしれないけど現時点では見あたらないので。いまちょうどランキンの「監視対象ー警部補マルコム・フォックスー」を読んでいるところです。
(日経文芸文庫 650円+税)