ジュリアン・フェロウズの初監督作品(2005)で、原作はナイジェル・バルチンの小説「A Way Through the Wood」。日本では劇場公開なしでDVD発売のものを見た。イギリスの上流階級のお話である。善くも悪くも紳士と淑女。下層階級の人たちは肝心のところでシャットアウトされるのをまざまざと見せた。
裕福な弁護士のジェームズ(トム・ウィルキンソン)はロンドンと郊外に住まいを持つ。郊外の家には美しい妻アン(エミリー・ワトソン)がいる。ある日、家政婦の夫が自転車で走っていてひき逃げ事故にあって亡くなる。その自動車は近くの名家の息子ビル(ルパート・エヴェレット)のものだと家政婦はいう。実はビルと浮気していたアンが運転していた。それを知ったジェームズは自分の地位を守り妻をかばうために嘘の証言をする。家政婦は以前犯した罪をアンがかばってくれた過去があるので証言を取り消し、刑事は怒りにふるえつつ帰って行く。
その後は静かに暮らしていた夫婦だが、ビルが癌で余命幾ばくもないと知ったジェームズはビルを病院に訪ね、口止めされたのに帰ってアンに話す。アンはビルの世話をするために出て行く。ジェームズはアンを愛している自分に気がつき黙って一人暮らしを続ける。ビルはアンの介護のおかげで診断より長いこと生きることができた。
ビルの葬儀が行われジェームズはアンと再会する。アンはビルの家族とは関わりがないからロンドンへ行ってビルのアパートに住むという。ジェームズは彼女を駅まで見送る。その前にランチをする時間があるとアンがいう。