2004年のアメリカ=イギリス映画、原題「Yes」
最初のシーンはロンドンの高級住宅から、いやいや夫(サム・ニール)と晩餐会に出る北アイルランド出身の“彼女”(ジョアン・アレン)が描かれる。“彼女”と夫はかつてリベラルな思想を持つ仲間だったが、いまは夫は政治家であり現実を肯定している。科学者の“彼女”は若いときからの思想を失っていないという自負している。アメリカへ渡った両親の代わりに“彼女”の面倒をみた叔母はマルクス主義者で、学校はカトリックだったので矛盾の中で育った。宗教を持たず科学を信じて生きてきたのが自信になっている。
美貌の“彼女”は食事中も愛想笑いくらいはするが孤立している。給仕の“彼”(サイモン・アブカリアン)が声をかけ、二人は恋に落ちる。
“彼”はレバノン人で元は外科医だった。手術が成功した患者がすぐに敵側の人間に射殺されてしまう。それで医者であることをやめてロンドンへ来て調理場で働いている。
とても美しいラブシーンが続く。
しかし、調理場内での喧嘩が元で白人の上司にアラブ人差別の言葉を投げられクビになる。“彼女”から電話があってもつれなくなる。話し合うために会うが結局は“彼女”は白人であるから、酷い言葉の応酬になる。
レバノンにもどった“彼”は旧友と会ったり、働いていた病院へも行ってみる。
叔母が死んで病院へ行った“彼女”は叔母の言葉を聞く。
ふっきれたように“彼女”は叔母が行きたがっていたキューバへと旅立つ。
キューバでひとり海辺に行き海岸を走る毎日。
ホテルで憩う“彼女”のところへ“彼”がやってきた。
「Yes」
“彼女”役のジョアン・アレンは「ジェイソン・ボーン」シリーズに2回目からから4回目までパメラ役で出演していた。