キャメロン・クロウ監督は15歳でロック評論家としてデビュー、16歳のときには「ローリング・ストーン」誌で最年少のライターとして活躍していた。「あの頃ペニー・レインと」(2000)は、レッド・ツェッペリンのツアーに同行取材した自身の実体験を元にした映画だ。
ウィリアム(パトリック・フュジット)は父が亡くなってから教師の母と姉との3人暮らし。勉強がよくでき飛び級で2年上のクラスにいる15歳。母親はこども達に厳しい。反抗した姉が家を出て行くときにベッドの下にたくさんのレコードを置いていってくれる。
姉の「蝋燭をつけて聞きなさい」とメモのついたレコードを聞くウィリアムの幸せな表情。彼は演奏ではなく〈書く〉ことでロックミュージックシーンの中で生きるようになる。
バンドの取り巻きの少女たちの中でも特に美しいペニー・レイン(ケイト・ハドソン)がウィリアムを引き回してくれて、彼は原稿を書く許可を得る。
バスで演奏旅行を続けるバンドメンバーとの交流、ライブシーンや終了後のミュージシャンたちとのやりとりがさもありなんという感じで楽しい。
ギタリストのラッセルとペニーはつきあっていたが、ニューヨークには彼女がくるからとペニーは捨てられる。睡眠薬を飲んだ彼女につきそうウィリアムは愛していると告白。
実家にもどったウィリアムは母もものわかりがよくなり、姉も母と仲直りする。
ペニーはずっと行きたいと話していたモロッコへ一人で行く。
見終わって思った。ラッセルは〈ロックをやり〉ウィリアムは〈ロックを書き〉ペニーは〈ロックのように生きた〉のだと。