美術館「えき」KYOTOにて『加藤まさをの乙女デザイン展』

京都駅のギャラリーは一度だけ行ったことがある。あそこなら迷わずに行けるなと考えていたところへ、Yさんが招待券を送ってくださった。いざ、伊勢丹7階へ、元気よくJR京都行き普通車で出発。

加藤まさを(1897-1977)は童謡「月の砂漠」の歌詞で知られる、大正中期から昭和初期にかけて活躍した画家で詩人である。先日から1930年代の英国や上海を描いた映画を見てため息をついているが、日本の加藤まさをが生きた時代と重なっていろいろと考えさせられる。

わたしの育った家にはたくさんのこども向けの本があって、えらく古い児童書もたくさんあった。代々こどもたちに買った本が溜まって5番目のわたしには上4人の本が読み放題だった。だから加藤まさをと聞いて名前を思い出したのだが、読んだはずの「消えゆく虹」「二つの虹」の内容が思い出せない。ここでもういっこ思い出したのは「吹けよ春風」という作品で検索したら加藤武雄の少女小説だった。加藤さんだけいっしょだ(笑)。

ギャラリーにはたくさんの作品が展示されていた。楽譜の表紙は「夢二デザイン」という本で見て、その美しさにおどろいたが、加藤まさをの作品もよかった。
絵はがきが多い。ほとんどが淡い色彩の乙女というよりこどものような少女の姿が描かれている。バラなどの花の真ん中に妖精のように少女の顔がある。幼く清潔な感じがする。
竹久夢二、蕗谷虹児、高畠華宵らと並ぶと説明してあって、最後の展示室には、彼らの絵と並んで展示されていた。中原淳一もけっこういろいろあった。淳一作品をいくら見ても飽きないわたしは淳一ファン(笑)。
わたしの好みは加藤まさをよりは他の方々だとわかった。そういうこともわかって、加藤まさをと名前しかわからなかった人の作品もわかってよかった。
グッズ売り場では夢二デザインのレターセットや淳一のひまわりハンカチなどを買った。

今日は若い人たちが多かった。同時代の人はもう来られないだろうし、ちょっと下の人だったら関心ないだろう。若い人たちが夢二だけでなくいろんな人たちに関心を持っているのはいいな。

ギャラリーを出たら駅、さっとエスカレータで運ばれて、また普通電車に乗った。行きは景色を眺めながら、帰りは川端康成の「古都」を読みながら。4時間足らずの短い旅、終了(笑)。