先日見たイアン・ソフトリー監督の作品「鳩の翼」は心に残るものがあった。お借りしたもう1作「K-PAX 光の旅人」(2001)はジーン・ブリュワーのSF小説の映画化であるというので期待して見た。とても気持ちのよい映画だった。
ニューヨークのグランドセントラル駅構内に突っ立っていて、ひったくりと間違われて保護された男はプロート(ケヴィン・スペーシー)と名乗り、K-PAXという惑星から来た宇宙人だという。マンハッタンの精神病院に入院させられて、精神科医のマーク(ジェフ・ブリックス)が担当する。宇宙人と主張するプロートにセラピーや投薬は一向に効かない。マークはいろんなことを聞くが、プロートの言うことは変わらない。サングラスをかけているだけで普通の人間に見える。
患者たちはプロートから影響を受けて前向きに変わりはじめる。
マークは天文学者の知り合いに依頼してプロートを学者たちのところに連れて行く。学者たちは光速よりも速く地球へ来たと聞いて、実際にやってほしいと頼むと、プロートはいきなり「アディオス!アロハ!」と言う。一瞬のうちにメキシコとハワイを経由して戻ってきたのだと。
マークはプロートに魅了されたように彼の治療に打ち込む。催眠療法でプロートから聞きだした情報をたよりに彼の謎を解こうとするマークは必死に過去を探る。
ケヴィン・スペーシーがなにげなくという感じで宇宙人をやっているのが気持ちよかった。