イアン・ソフトリー監督『鳩の翼』

Uさんがミクシィのコメントで書いてくださったのだが、ルース・レンデルは映画の「鳩の翼」を見てヒントを得て「階段の家」を書いたそうだ。それで当ブログを探して読んだら、ちゃんと「鳩の翼」にならって遺産を狙う計画を立てると書いてあった。そういえば映画の「鳩の翼」を見ていなかった。
それで、DVDがずっと家にあるのを思い出して、見たらすごーく素敵な映画だった。雨のロンドンと暗いヴェネツィアの映像がよかった。

1910年のロンドン、上流階級から没落したケイト(ヘレナ・ボナム=カーター)は伯母(シャーロット・ランプリング)の世話になって暮らしている。父親も伯母からの送金でぐーたらな暮らしをしている。旧弊な伯母の世話で結婚せざるを得ないのだが、彼女にはジャーナリストのマートン(ライナス・ローチ)という恋人がいる。伯母が許すはずがなく背けば遺産はもらえなくなる。
あるパーティでアメリカ人の金持ちの孤児ミリー(アリソン・エリオット)と親しくなる。ミリーはマートンに一目惚れする。ケイトはミリーが病気で先が短いことを知り、マートンをミリーと接近させて遺産を手に入れようと計画を練る。3人でヴェネツィア旅行をしようと誘って、マートンとミリーが近づくようにしむける。自分はイギリスに帰って待つが嫉妬に苦しめられる。

ミリーはマートンと恋の夜を過ごした後で、ヴェネツィアで死ぬ。彼女はケイトとマートンが愛し合っていることを知っていて遺産を遺した。
イギリスへもどったマートンをケイトが訪ねる。ミリーからの遺産についての手紙が届いていたのをマートンが暖炉へ投げる。でも弁護士に言えばいいのよとケイト。しかし、ふたりの間にはミリーの想いが残っている。