マーク・ハーマン監督『スプリング・ガーデンの恋人』

マーク・ハーマン監督の作品は、ブラス! (1996)、リトル・ヴォイス(1998)、シーズンチケット(2000)を見ている。イギリスの地方都市に生きる人々を描いてしみじみした気持ちにさせてくれた。「スプリング・ガーデンの恋人」(2003)の後の「縞模様のパジャマの少年」は、孤独なブルーノ少年が強制収容所と知らずに入り込んで縞のパジャマを着たユダヤ人の少年と親しくなり、最後は他のユダヤ人と共に「シャワー室」に入ってしまう。というアイルランドの作家ジョン・ボインの小説(岩波書店)の映画化だそうだ。

さっき見た「スプリング・ガーデンの恋人」はロマンチック・コメディ。
イギリス人の肖像画家コリン(コリン・ファース)に婚約者のヴェラ(ミニー・ドライヴァー)から他の男との結婚招待状が届く。痛手を負ったコリンはアメリカへ傷心旅行。長距離バスに乗ってニューイングランドの田舎町ホープに着く。よろよろのコリンに宿の女主人(メアリー・スティーンバージェン)はセラピーだと介護士のマンディを紹介する。ぶっとんだところのあるマンディと仲良くなるコリン。町の人たちの肖像画を描いていると市長からも頼まれる。
そんなところへ元婚約者がやってきて復縁を迫る。なかなかしつこくて自信まんまんの美女。
彼女はいつも毛皮をあしらった服やコートを着ていて、しょっちゅうタバコを吸って、ここは禁煙だとモンクを言われ、誰にも好かれないキャラ過ぎ。でも最後はコリンに対して意地を張ったマンデイを和らげる。
雪が降る前の紅葉の森が美しいニューイングランドの景色がたっぷり。