モーヴ・ビンキー『イヴニング・クラス 上下』

先日読んだ「サークル・オブ・フレンズ 上下」は映画(パット・オコナー監督)を見て原作を読みたくなりアマゾンの中古本で買ったもの。映画もよかったが原作もよかった。それで訳者だったか解説の栗原知代さんだったかが良いと書いておられた「イヴニング・クラス」を続けて買った。広告のページにはあと3冊あるけど、まあここまでにしようか。すごいストーリーテイラーで読み出したらやめられないというのはこのことかと思った(笑)。

エイダン・ダンはダブリンの高校教師でずっと次は校長になれると思っていたが、嫌っていたトニー・オブライエンが校長になることに決まった。ふたりの中は気まずくなる。トニーはエイダンの娘と知らずに彼の娘グラニアと恋愛中だ。これはまずいと考えた結果、エイダンには彼が好きなイタリア語のイヴニング・クラスをつくってまかせることにする。

かたや、ノラ・オドナヒュー(シニョーラ)が26年ぶりにシシリー島から戻ってきた。恋人を追ってイタリアに行ったものの古い町には彼の許嫁がいた。彼女は近くに部屋を借りて手仕事で自活していたが、彼が事故死したので帰ってきたのだ。

イヴニング・クラスに集まった30人あまりの、それぞれ問題や愛を抱えた生徒たちの物語が語られる。
クラスはそれぞれイタリア名前で呼び合うことになり、アイルランド名前とだぶるからややこしい。いろんなかたちのカップルができていく。
シニョーラの教え方に人気があがり誰も辞めないし、みんな仲良くなり、講座の終わりにはイタリアへ行こうと盛り上がる。
そして、イタリア旅行の日がきた。